私20歳代は、母の死、同僚の死、テレビ画面越しの死、というふうに3回ほど、直前に迫る人の死が分かってしまった。
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直前に迫る死の予感ではないのだけれど、20歳代の頃には、こんな不思議な事もあった。
当時仲良くしていた人たちの中に、Aさんという私よりだいぶ年上の男性がいて、その人は肝臓がんでお亡くなりになってしまった
仲間たちとAさんのお葬式にも行った。
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一緒にお葬式に参列した仲間の中には、Bさんという30歳代くらいの男性がいた。
私は仲間たちと話しているときに、Bさんの名前を呼ぼうとするのだが、無意識にお亡くなりになったAさんの名前で呼びかけてしまっていた
AさんとBさんの苗字は全く似ても似つかない苗字なのに…
私も失礼なことをしてしまっている事は重々承知で、Bさんにお会いする度に気をつけるのだが、それでもBさんの名前を呼ぼうと思っても、口は「Aさん」と呼びかけてしまうのだから、どうかしていた
Bさんは、私からあまりにも何回もAさんの名前で呼び間違えられてしまうものだから、
「あゆみちゃ~ん、やめてよ~僕までAさんみたいに死んでしまいそうで怖いよ~」
と怖がらせてしまった。
こういうことが続いた事を受けて、後日Bさんが私にこう話しかけてきた。
「あゆみちゃんが僕のことをAさんの名前で呼び間違えるもんだから、怖くなって病院へ行って検査してきたよ。Aさんと同じ肝臓がんだった❗ まだステージは進行してないから手術するよ。」
私にしてみれば、名前を言い間違えてばかりいただけなのに、Bさんから、「命の恩人」と感謝されてしまった。
Bさんのがんが見つかってから以降は、Bさんを呼ぶ時に「Aさん」と口をついて出ることは無くなった。
これは、本当に不思議な出来事だった。