※今回のブログ①~⑤シリーズは、紙媒体『朝日新聞EduA』の「いまこそ、医学部」の箇条書きです。

 

 

■地方公立高校の医学部進学支援

 

医師不足に悩む地方で地域医療の担い手を育てるため、教育委員会が医学部進学を支援する動きが広がっている。

 

 

●茨城県の例

※茨城県は2018年12月時点で人口10万人あたりの医師数が187.5人と、全国で2番目に少ない

 

公立高校5校で、20年度の2年生から「医学コース」を編成

・これら各校に医学コーディネーターを配置し、習学度別クラスのための教員を配置。

 

医学コーディネートの具体例

・1年次は医師から直接話を聞くなど医師の仕事や職業観を理解

・2年次は実際に大学や病院を訪れるなどして体験を重視

・3年次は受験に向けた対策

 

これら取り組みを通じて学生に期待するもの

医学部進学は職業選択そのもの。医師の仕事とその職責を理解し自分の適性をしっかりと見極める材料にしてほしい

 

 

●北海道の例

 

●札幌南高校(2021年度国公立大学医学科合格者数52人)の取り組み

・年2回「医学部研究会」

札幌医科大や旭川医科大の教員が医学部について話す研究会を開いている。

・道内の旭川医科大や札幌医科大の総合型選抜(旧AO入試)に特化した面接や小論文の添削を生徒に繰り返し指導

 

 

●札幌市内の病院の取り組み

・「ブラックジャックセミナー」

最新機器を使った体験もあり申し込み多数で抽選になる。

 

●道教委の取り組み

・「メディカル・キャンプ・セミナー」(3泊4日)

では道内各地から高校2年生が集まる。

 

 

■私立高校の医学部進学支援

 

・女子中高一貫の四天王寺高校(大阪市)では、「医志コース」を中学1年から設けている

 

「医志コース」では病院や大学医学部の見学ツアーを数多く実施

 

1期生が挑んだ20年度入試では、国公立大医学科合格者が前年度に比べて大幅に増え67人が合格2021年度入試では42人が国公立大医学科に合格した。

 

 

・2021年度国公立大医学科に44名が合格した青雲中高一貫校(長崎県)には男子向け寮と高校女子生徒向けの指定下宿があり、首都圏からの男子生徒約20人も入寮している。

 

 

医学部合格者を多く出す高校では寮を併設していたり、専門コースで学力を伸ばしているところが多い。

 

寮の生活は規則正しく、毎日の自習時間で学力を大きく伸ばす。

教員が寮に出向き、質問への対応や進路指導にあたる。

 

寮生活ではトラブル解決能力やコミュニケーション能力も鍛えられ医師に必要な素質が自然に備わると青雲の寮監長は話す。

 

 

■主な高校の2021年度国公立大学医学科入試結果

2020年度入試で国公立大学医学科に50人以上の合格者(学校推薦型・総合型・一般前期日程の合計)を出した高校に調査した2021年度国公立大学医学科入試結果

 

(人数・〇は私立高校・北から順に掲載)       

52 札幌南(北海道) 

80 〇東海(愛知)    

61 〇洛南(京都)    

42 〇四天王寺(大阪) 

44 〇甲陽学院(兵庫) 

41 〇灘(兵庫)     

50 〇東大寺学園(奈良)    

54 〇愛光(愛媛)

79 〇久留米大付(福岡)

44 〇青雲(長崎)

66 〇ラ・サール(鹿児島)