書籍類を紙媒体から電子書籍へと完全に脱却しつつある次男にならって、私も初めて本をKindleで読んでみた
しかも私はiPadなどのタブレットを持っていないのでスマホで
自分は紙派だと思ってKindleを避けてきたが、意外に良かった
何が良かったか
第1にネットで購入した瞬間から読めること!
第2に自分なりに画面をカスタマイズできて、画面には常に小さくデジタル時計を見る事が出来、読んでいる章は後何分くらいで読めるかもわかり、しかも全ページのうち現在何%読んだかも常に把握できること。これら機能があっても、読書の集中の邪魔には全然ならなかった!
スマホ画面はこんな感じ↓
第3に、本だと手で本を持たないとページがめくれてしまうが、スマホだと膝の上にクッションを置いたり、寝転がってもスマホを立て掛けるなどフリーハンドでも読めること!
第3に、出先でも、本を持ち歩かなくてもいつでも何処でも読むことが出来身軽なこと!これ一番のメリット
第4に、現在、本類、写真類の断捨離をしている身としては、物が増えない事がありがたいこと!
第5に、ドラッグすれば様々な色で線も引けるし、わからない意味があれば辞書も引けてしまう。
また、紙媒体よりも目が疲れるかと思いきや、さほど疲れなかった!そしていつでも簡単に続きのところから読書を開始できる。
このように、私にとって電子書籍は良い事づくめで、紙媒体よりも読書時間も短縮されて早く読み終える事が出来る気がしました
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初の電子書籍kindleで読んだのは、こちらの本
(2002年発行)↓
研修医純情物語 先生と呼ばないで (幻冬舎文庫) null円 Amazon |
同じ『研修医純情物語 先生と呼ばないで』のハードカバーはこちら↓
先生と呼ばないで―研修医純情物語 (徳間文庫) Amazon |
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ついでに研修医純情物語シリーズの2作目をご紹介
(2005年9月発行)ハードカバー↓
とび出せ!ドクター (研修医純情物語 (旅立ち篇)) null円 Amazon |
実は、シリーズ2冊目の「とび出せ!ドクター」の方は、図書館のリサイクル本でハードカバーのものを貰ったものが手元にあり、こちらを先に読みだしたのだが、持ち歩くには嵩張るし それにやはり前作から読みたい。しかもすぐに読みたい と思ってしまったものだから、kindleを勧めてくれていた息子の言葉にならってkindleのアプリをスマホにダウンロードし、アマゾンでkindle版を購入してみたという訳
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ここからはネタバレになるので、ご注意ください。
生きることに不器用だった20歳代。
自分は何者になろうとしたいのか?
もがき苦しんだ20歳代だった。
自分のうつ病の診療にかかわる医師を見て、患者を診てるようで患者の人なりではなく患者の病気しか見ていないように感じ、薬漬けにしようとする医師に対し反発を覚えたのが逆に自分を医師へと駆り立てた。
また、
自分は父親のようなバリバリと働く有能な医師にならなくても、自分らしく生きていけば良いと開き直れた時に、ある意味父親からの呪縛から解き放たれ、父のようにならなくていい!自分なりの医師になればいいんだ!と思えたのだった。
既に30歳になっていた中での再受験。皮肉にも浪人経験で培った勉強方法のノウハウが再受験には役立ち、ブランクがあってもすんなりと受験生に戻って予備校にも世話になりながら受験勉強に専念。そして、京都大学医学部を37歳で卒業した。
患者さんとじっくりかかわる事が出来ない忙殺される研修医たちの姿、睡眠時間もまともに取れないブラックな医療現場に疑問を持った研修医時代。そんなブラックな環境に異を唱えようとしないで、寝不足のまま医療に従事する世の医師たちにも何かがおかしいと感じる著者。それが本当に患者の為になっているのか?もっと良いパフォーマンスをする為にも万全の体調で患者と対峙するべきでは!? と感じるその大きな違和感は、一度医療以外の世間をみてきた著者だからこそ感じたかもしれない違和感だったのだろうか・・
研修医仲間よりもやることが明らかに遅く不器用な研修医としての自分に自信をなくしながらも、自分らしく仕事をする事を模索し、ある意味アウトロー的な医師としての立ち位置を確立しようとあがいた東大病院及び分院での研修医時代。
そんな自叙伝とも言える小説がこの本。
1959年生まれの著者が2002年に発行した本ですので、現在のマッチング制度とは違う時代の研修医の姿がえがかれてますが、現在還暦を迎える著者が、37歳で研修医になった時にみた研修医時代はそこまで遠い昔の事ではなく、制度こそ今とは違えど根源的な部分では今とさほど変わっていないのだろうと想像します。働き方改革でどこまで変わるかということは注視していきたいですが難題が山積みみたいですね。
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私は、夏川草介医師が書く『神様のカルテ』のような、夏目漱石ばりの文学的表現を意識して、言葉の芸術ともいえる表現に力を注いでいる小説も好きですが、またこれとは違って川渕医師の本は、平易な文章ながらもスマートな文体でとても読み易く、滑らかに読めるのが心地よいです。
医学生、仕事に悩む初期研修医、そんな方々にも読んで欲しい本だと思いました。
テレビでは、草彅くん主演で『37歳で医者になった僕』がテレビでも2012年に放映されたようですが、私は観ていなかったのが残念
そして、著者であり現役医師でもある川渕圭一さんへのインタビュー記事はこちら。医師と作家の仕事。二足のわらじを履いた生活はどのようにしてなりたっているのか・・そのヒントがあります。
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また、この本は自叙伝?と思えるほど著者本人の体験談だろうな・・と思えるだけに、周りへの批判部分も多く、これって自分のこと?と思ってしまう当時の仲間もいるのでは?と心配したりしました
すると、東大研修医時代の仲間ではないようですが、京大医学部の学生時代を著者と共に過ごした同期の人が、「本を執筆したと風の便りに聞きました。本屋にも普通に並んでいて、ぱらぱら見ると病院の批判のようなところもあって、自分の当時の今といろいろ重なるところもあり、かえって読めないなあ、と思い、買わなかったのを覚えています。」って
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http://www.kenjikabashima.com/blog/2008/03/post_e5bf.html
リアルに描き過ぎるのは勇気がいることでもあり、例え小説だと言われても、複雑な思いをする周りの人もいるということなのでしょうね
病院批判部分は、反論したくなったり耳が痛い医療関係者も多いだろうな~ けれど、同じ医療者が発信するからこそ、意味がある批判のような気もします
ただね、製薬会社が用意してくれたお弁当くらいは皆さんと一緒に有り難く頂戴すれば良いのに・・とは個人的には思うけどな~ ←本を読めばわかります