今宵は「中秋の名月」
観月茶会にお友達と3人で2年ぶりにお邪魔してきました。
 
平日だった為、仕事帰りにギリギリ滑り込みました。
 
 
暗い路地を彩る数々の竹灯篭の灯り

 
 
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茶席に入るまでに用意された、素晴らしい中秋の名月の夜の演出
 
by佳紅流 華展 『五行・華の世界』
 
五行とは・・・古代中国に端を発する自然哲学の思想で、万物を構成する五種類の元素(木・火・土・金・水)は、互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する・・という考え
 
 
玄関には『昇竜・陰陽』を表現した壺が置かれてました。

泉の奥に住む龍がいま、正に飛び立とうとしているさまを表しています。

 
 
石庭には【木】
私の下手な写真ではうまくお伝え出来ないのが残念ですが、木で表現された龍が正に飛び立とうとしているさま。見事でした。

龍の口から出た赤い炎の火の粉の華が石庭の白い小石の上に散りばめられて細かい演出

 
       
【火】
龍は内に秘めたエネルギーを放出します

 

【土】 
地中より芽吹いた植物を愛でながら、大地を進む龍

 

【金】 
金色の月に向かって雄大な空を舞い上がっていく龍
今宵は十五夜なので、十五個の炭が月へと続きます。明日の十六夜(いざよい)は十六個の炭になるそうです。

 


【水】 
自然界を満喫した龍は、静寂な清泉の内に戻っていく

 
龍を赤い水中花で表現(花はアンスリウム)
 
真っ暗な茶室の小間に配置されたこの大きな水盆には、天井から水滴がポトン・・・・・・ポトン 
 
静寂の中で、水の鏡面に雫が一滴、一滴と落ち、波がさざ波のように円く広がっていくさまに一瞬息を飲みました。
 
真っ暗な部屋の中で、水滴の落ちる音だけが聴こえる中、雫が広がる水紋の光の反射が天井に映し出され、揺らぐ・・
 
何たる演出か!
 
空(くう)の世界に豊かな心象世界が広がり、龍を表現した赤い花が私には仏様に見えてきた。
 
一輪の生け花を見て、ここまでの感動を覚えたのは初めてかも。
 
たった一人でこの小間に居たならば、いつまでもその場から離れがたい気持ちにすらなることだろう・・・そんなふうに思いながら、家元の綾小路先生と話をさせて頂いた。
 
先生曰く、見学者の中には、暫くの間、この小間にいて瞑想にふけり「体調がすぐれなかったが心身共に洗われるようなそんな元気をもらった・・」と言ってくださった人もいらしたとか・・
 
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フラッシュをたいて写すとこんな感じ
先生の演出の意図から外れてしまうかな・・(汗) 
 
 
 
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そして、席入りの順番が来た
 
 
 
涼やかな風鈴の音と虫たちの声
 
以前から私一押しの愛知学院大学茶道部による「中秋の名月」の茶席
 
茶席でも雲の切れ目から月が顔を出してくれましたウインク
 
 
 

男子学生たちは袴帯に、女子学生たちは髪に萩の花を挿してます。

お写真OKとのことだったので、フィルターかけずに・・
 
 
時折響く鹿威し(ししおどし)の音
 
菓子は最初、空(から)の銘々皿が配られ、順次お供えの月見まんじゅうを取り分けて頂く形
 
中は、こし餡に練った栗が添えられていて、甘さ控えめでとても美味しかったです。
 
 

主茶碗は300年前のもの
 
掛け軸は、明治天皇に和歌を教えられていたという歌人、幕末の薩摩藩士である「黒田清綱」筆だそうです。
 
月千秋友
ものをこそ いひもかはさぬ 面馴て
ちよの友なり 秋のよの月
 
月は千秋の友
中秋の名月に毎年毎年会っていると、顔見知りの古い友のようだ
 
 
 
 
 
 
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このようなラフな茶会には勿体ないくらいの立派なお道具類でした。
 
席主は当日のみならず、その準備までが如何に大変かを知っているだけに、こうして豊かな時間を頂けることにただただ感謝です照れ
 
 

















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おまけ

ボケボケ写真なので、加工無しで載せます。

小3で、まだ可愛かったときの次男です。