しかし、最近は、介護を誰がするか?

という問題に際し、

世間では大きな変化が訪れていると

私は感じています。

 

私の趣味である茶道の世界は年配者がとても多く

身近に、60歳代以降の人たちとの交流が

私も数多くありますので、

それをひしひしと感じるのです。

 

具体的には60歳代以上の定年退職した夫婦で

もともと年老いた実父母と同居していない

人々の間に変化が訪れています。

 

80歳以上あるいは90歳代になって

配偶者を亡くしていても、

一人で頑張って暮らしているお年寄りは

本当に多いですね。

 

私の75歳の姑も、今のところ一人で

元気に暮らしてくれているので

それは本当にありがたいことと思っています。

 

そして、それは本人の希望でもあるのです。

 

比較的近くに子どもたち家族がいてくれて

会いたいときはいつでも会えて、

普段は気ままに一人で暮らしていたい・・・

それが、姑の本音でもあるようです。

 

そして、多分、自分だったとしても

年をとって、元気に暮らしていられるなら

姑と同じような暮らしぶりが出来たら

理想だろうと想像します。

 

ところが、一人暮らしの年老いた親の介護が

必要になったらどうでしょう?

私の身近な人々で

老々介護になっている人たちの

多くの事例は

 

まず、介護が必要となってきた親御さんを

自分たちの家に呼び寄せません。

配偶者の同意が得られないからです。

 

比較的近くに暮らしている場合は、

夫の親は夫が、妻の親は妻が、

介護を必要とする実親の家に通う形だったり、

一時的に自分だけ実親の家に泊まりこんだりして

なんとか、乗り切ろうと努力されています。

 

 

親が名古屋、自分たち夫婦が東京の場合などは

定年退職した息子さんが

単身名古屋の認知症になった親元に

やってきて一緒に暮らし、

自分の奥さんは東京に残ったまま・・・

そういうケースも見てきました。

 

頑張ってお母さまを看ておられましたが

認知症が酷くなっていくお母さまを

男性一人で看るのは、本当に大変そうでした。

 

今は宅配弁当もありますし、

惣菜がスーパーに並んでいるとはいえ

ほとんど妻まかせでやってこなかった料理も

多少はしなければなりませんしね。

 

洗濯にしてもそうです。

 

それでも、一緒に名古屋に来てくれない

奥さんのことをその男性は

悪く言うことはありませんでした。

 

だんだん、認知が酷くなり

男性が茶道の稽古から帰宅すると

家の中は、お母さんが

ぐちゃぐちゃにしてしまっているそうです。

 

それでも、趣味ごとでもやっていないと

自分が保てないから、

思い切って家を空けてくると話してました。

 

自分でもこの状況は辛いのに、

コミュニティーを東京で築き上げ

趣味ごとや友人も東京にたくさん作っている奥さんが

住んだこともない自分の実家に

それらを捨てて来いとは

強く言えないという話しでした。

 

結局、名古屋でお母さまを預かってくれる施設が

やっとみつかり、男性は妻がいる東京の家に

戻っていきました。

 

そして、施設との手続きで

毎月一度、お母様に会いがてら

名古屋に来られています。

 

そんな大変なことなら、

東京の施設に預けられないか?と思いますが

名古屋でも随分長い時間をかけて

やっと入れた施設です。

 

東京では、そういう施設は

とてもすぐに見つけることは不可能。

まだ名古屋のほうがましな状況だという話しでした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

このように、

病院や施設に入ってもらった

年老いた親の元に、

足しげく会いに行くのも

実の子がほとんどで、

長年、別々に世帯を構えていたお嫁さんは

もともとが、親密な人間関係を築けていないので

足しげく通うことはありません。

 

結婚以来、

一度も一緒に両親と暮らしたことない子ども夫婦が

急に弱った親を自宅に呼び寄せて

暮らすということは

相当にハードルが高いことなのだろうと

想像がつきます。

 

それが出来るケースは、

日頃から、交流を密にし、

それなりの関係を築いていたケースに

限るのかなぁ?

 

などと、思ったりします。

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

テレビ番組内で武石さんの

 

相手の家の嫁にはなりたくない!からです。

嫁って地位低いじゃないですか?!

 

という言葉。

 

確かに、どれだけ相手の親に尽くし

最後まで看取るべく

自分を犠牲にして介護をしても

義父母からの財産相続権は

「嫁」にはありません。

 

 

嫁の義務や責任を背負わなくてよい!

ということですねー。

 

夫は夫の親、妻は妻の親

それぞれが自分の親の介護を担えば

良いのではないですか?

 

事実婚を選んだ武石さんのこれら言葉は、

現代の嫁姑事情を考えると

わざわざ、事実婚を選んで

いろいろな不都合を抱えなくても、

武石さんの思いは通じる時代になりつつ

あるのではないか?

 

と感じていた昨今だったため、

ブログで取り上げてみた次第です(^_^メ)

 

けれど、義父母を看ない嫁には

真面目な人であればあるほど

罪悪感が付きまとい、いい嫁になれない自分に

どこかで負い目を感じてしまうことは

とても辛いことでもあります。

 

そういう面に関して言えば、

今の時代は、まだまだ事実婚のほうが

そういう罪悪感を抱えなくて済むという点と

親戚筋も最初から

「嫁」になることを拒否した人に対し

期待しない分、精神衛生上は

穏やかでいられるかもしれないですね(^_^メ)

 

 

このように書くと、

なんだか殺伐としてきますww

 

けれど、きれいな言葉は

いくらでも並べることはできますが

 

現実というものは、

なかなかに厳しいものですよね(~_~;)

 

ですから、

様々な葛藤がある中、

結婚当初から義父母と同居し続け

最後まで義父母を看取る

お嫁さんの立場にある人は

本当に立派だと思います。

 


凛と咲くハスの花