【 高齢のために手術ができなかった大動脈弁狭窄症を最新治療で可能に】
もともとの大動脈弁狭窄症の手術は、狭い弁をもともと胸を切って心臓を止めて治療しなければなりませんでした。高齢者は体力的にこのような大きな手術をすることは難しく、手術は出来ないというのが実情でした。
その手術を可能にしたのが、心臓を止める人工心肺などを使わないで治療することができるようにするカテーテル治療法「TAVI」です。
TAVIとは太ももの血管から管を遠し、心臓の大動脈弁まで人口の弁を送り込み、石灰化したもとの大動脈弁と置き換える方法です。
2002年フランスで始まり、日本でも最近導入された技術です。
その第一人者が、慶応義塾大学病院の循環器内科医師林田健太郎医師(40歳)です。
林田医師は、まだ日本に導入されていない2009年にTAVIの技術を学びにフランスに渡りました。しかし、当初はフランスでも5人に1人が死亡するという危険な治療でした。人工弁がうまくはまらなかったり、石灰化した弁の一部がはがれ、心筋梗塞を起こしたりしていたのです。そんな中、林田医師は、失敗した症例を独自に分析。安全にできる方法を習得しました。
2012年に帰国して以来、およそ250例を手掛けていますが、その成功率はなんと100%。いまや本家フランスを超えるTAVIの名医です。
そして、この治療法は2013年に保険適用対象になっています。