先ほどの要約では、新医師臨床研修制度下で、研修終了後、医局に入った人は半分くらいとのことでした。
要約の続きです。
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【自由になった医師たち】
それでは、ここからが大切なのですが、はたしてその半分の医局に入った新医局員たちは以前のように滅私奉公をしたのでしょうか?
答えは完全に「NO」です。
新しい医局員に対して、
今度は医局側が大変気を使うようになりました。
昔の医局員が教授からの「村八分」が怖くて、見えないローカルな医局のルールに気を使っていたのに対し、新臨床研修制度の研修医たちはまず医局のローカルルールを知りません。
すでに研修を済ませて自分なりのルールがある人に、医局の強いルールを吹き込まれても、反発するだけです。
そして、決定的に昔と違うのは、彼らは医局が嫌ならば辞めて他に行けるようになったことです。
世の中の若い医師の半分は医局に入らず自由にしているのだから、いつでもその輪に戻れます。
昔は医師1年目で医局に入ることが必要であったのに、新制度下では3年目以後の何年目で入局するかは自由です。
別の医局に入る時に医師年度の縛りがないのですから、多少のキャリアを済ませた人が入局することは
自然になりました。
年をとった新入りも許される時代になったのです。
医局と新入局者の立場は大きく変わり、医局はいかに自分たちが楽しくて公平で教育熱心であるかをアピールし、
研修医が成長できるように研究や留学もしやすいように環境を整えて研修修了の医師に入ってもらうために努力するようになってきました。
若い医師は以前のような窮屈さを感じずに仕事ができるようになりました。
研修医は自由になったのです。
【自由には自分に対する責任が伴う】
自分のキャリア形成を自分で描くことができるようになったと聞くと聞こえはとても良いですが、
自由は良いことばかりではありません。
そこには「自分に対する責任」が伴います。
自分で選ぶということは、
成功も失敗もすべて自分の責任になります。
しかし、そのほうが、
遥かに充実した人生を生きることができます。
自分で自分の人生を選ぶにはしっかり考えて
分析しなければなりません。
自分の性格、自分の哲学、自分の価値観を見つめて、オーダーメイドのキャリアを作り、自分にとって一番よい人生を選んでください。
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息子の大学でも、今月に市内の高級ホテルで
全国の初期研修医の皆さんを対象に
専門研修プログラム
参加連携病院の合同説明会・懇親会・シンポジウム
が開かれます。
シンポジウムでは、
「大学グループ病院の未来を考える ~人に育てられ ~人を育てる」
となっています。
このように、今月以降は、初期研修医の人たちに向けて、全国各地で、専門研修プログラムの説明会が開かれることでしょう。
医師の世界は、完全に売り手市場です。
しかし、そこにも、非医学部の就活ほどではないにしろ、それなりに人気病院には優秀な人が集まるという構図ができて、競争原理が働いているという点で一般企業への就活と同じである…というようなお話を次のブログで要約したいと思います。