誤診や誤った治療法によって誤った投薬が処方され

その薬が却って患者さんに悪影響を及ぼし

症状が更に悪化する!

 

このようなことが多い診療科として

本を含むマスメディアで多く取り上げられるのが

精神科医療です。

 

 

今朝届いた日経メディカルのメールは

精神科の主任教授が執筆されていました。

 

うつ病ではないのに、

うつ病であると誤診されるケースが多いのだとか。

 

筆者曰く

 

うつ病ではないかと診療を依頼された

思春期から青年期の患者さんに

通常の精神科面接を実施すると、

統合失調症が疑われることが少なくない。

 

高齢者では認知症や、電解質異常や内分泌異常、

あるいは処方されている睡眠薬や抗うつ薬などの影響で

ぼーっとした状態(軽度の意識障害と評価されることが多い)

になり、それがうつ病と誤診されていることがある。

 

とのこと。

 

抗鬱薬が統合失調症患者さんに処方されれば、

幻覚や妄想が増悪することが多いし、

認知症や軽度の意識障害の患者さんでは

認知機能が増悪する。

 

後者では、抗うつ薬や抗不安薬によって

精神症状が増悪しているのを、

うつ病が増悪していると誤診して、

さらに抗うつ薬を増量されていることもある。

 

・・・・・・・・・・・・・

 

私が以前読んだ「精神医療ダークサイド」

という本では、逆に精神科医が

患者を安易に統合失調症にしてしまい、

誤投薬で患者を廃人同様にしてしまう

ひどいケースもあるという点に関し

警鐘を鳴らしていました。

 

 

昨年の、私の義母の癌治療の入院時、

本人が強く訴える不眠に対し

 

精神科の医師は

種類を3回ほど替えて処方してくれましたが

睡眠薬を飲めば飲むほど

姑の症状は悪化し、ろれつがまわらなくなりました。

 

入院前の義母とはまるで別人のようになってしまったのです。

 

精神科の医師は、入院前の義母を知りません。

 

不眠に対し、薬を処方するだけでした。

 

明らかに以前の人間と違ってしまっているという事実を

知りません。

 

我々家族も、精神科の医師に一度もお会いできませんでした。

 

消化器外科の患者に処方するのですから

不眠に対する対症療法の為の薬処方だけという措置は

仕方ないのかもしれませんが

結果は、睡眠薬もほとんど効かずでした。

 

あの時、義母に必要なことは、愁訴をじっくりと聴いてあげ

心の不安を少しでも和らげてあげることだったのだと

今ではよくわかります。

 

それは、家族ではダメだったのです。

 

やはり、病院側に、患者の話を聴いてくれる

その道のプロがいたらと思わずにはいられません。

 

私は実際に、心療内科の医師に相談できないか?

と入院中の病院に聞いてみましたが、

病院には心療内科医はいないとのことで

退院してから、かかるならかかってください

と言うお話でした。

 

結局、「精神的に弱い人だったね。」

という話でまとめておしまいでした(>_<)

 

現状の仕事で手一杯の多忙な医療関係者にしてみれば

そのような患者家族からの要望は

我儘に聞こえるかもしれませんが、

本来は少しでもそのような体制を構築すべきであり

病気は体を治すだけではなく

心も一緒にケアしていくという側面は

とても重要な課題ではないかと思います。

 

繰り返しになりますが、

薬で無理矢理気持ちを安定するように持っていくよりも

それよりも大切なことは

何が義母の心の不安を増幅し

不眠へと追いやっているのか?

 

その義母の愁訴を聴いて不安を取り除く

具体的な対策を提案してあげられるように努力する。

 

そんなことが最も重要で

投薬よりも先にやるべきことのような気が

当時はしたものでした。

 

患者を支える我々家族にも、

日常生活に加えて、

付添い通院が増えるという物理的な負担と、

また、大切な家族の病気に対する不安で

余裕を失っているのも事実なのです。

 

それでも今年、再度入院、手術を控えている義母に対し

今度は、前回の入院のときのような

余裕のなさを回避できるように

患者を支える我々家族も成長して前回に学び

患者を精神面でも支えてあげられる言葉がけができるように

家族も努力しなければと思いますし、

多分、前回よりも少しは

私も義母を支える覚悟が出来ているので

大丈夫な気がします。

 

話しを戻すと、

大量に余った睡眠薬でしたが

我々夫婦が、義母からその薬を預かり

退院後は、義母1人の時に飲めないようにしました。

 

義母は、退院後は徐々に精神不安も解消し

去年の退院後以来、時間はかかりましたが

今ではすっかり

元のはつらつとした義母に戻ってくれました。

 

友人たちとの外出を楽しみ

一緒には住んでいませんが、

我々家族と交流し、毎日穏やかに暮らしています。

 

このような経験を通じて、睡眠薬を含む向精神薬の

服用の恐ろしさを実感した我々家族でした。

 

入院当時の睡眠薬が効かず

せん妄が出ておかしくなってしまった義母には

偽薬でも良かったのではないかと思ってしまうくらいです。

 

 

うつ病診断において

うつ病に関する知識と同じくらいに重要なのは、

うつ病以外の精神疾患に関する知識である。

 

極端に言えば、うつ病のことしか知らない医師は、

うつ病症状にしか注目しないため、

あるいはあらゆる精神症状がうつ病症状に見えるために、

うつ病診断が増えるようである。

 

とのこと。

 

 

うつ病は、現代病とも言われる

誰がいつなってもおかしくない病気です。

 

だからこそ、我々素人は、うつ病だと診断されれば疑いようもなく、

うつ病という病名を受け入れてしまうのでしょう。

 

病名が確定されたほうが、不調の原因が分かって

まずは安心できるから。

 

しかし、それが誤診であったり

間違った投薬で更に症状が悪化するようなことがあれば

それは本末転倒です。

 

本人の体の不調を薬で補うことは

一番大切なことかもしれませんが、

まずは、不調を訴えている本人の

不調の原因が

仕事や生活のどこに潜んでいるのかを見つめ

その原因を取り除くことから始めてみることも

とても大切なことなのではないか?

 

そのように思います。

 

 

愁訴を訴えている人の心の奥にある愁訴の原因が

本人が気づいていなくても

実は家族にある場合もあります。

 

また、家族は、家族の一員である夫や妻、子どもが

うつ病らしきものになってしまったら、

とてもじゃないけれど、

自分自身を支えることに必死で

とても、話を聴いてあげて

患者の心の声を引き出してあげる余裕など

ないのが普通です。

 

その為にも、本人の話をじっくり聴いてくれて

その人の心の奥深くに埋もれて見えなくなっている

その人が持っているであろう

『本心という心の声。叫び。』

 

本当は自分はどうしたいのか?

 

その答えを一緒に探し出すことを手助けしてくれる

そんな他人である信頼できる第三者に巡り会えることも

とても重要な出会いなのかもしれません。

 

そして、その第三者を求めて患者が動かなければ

事は始まりません。

 


つづく