宇野 side
中々離そうとしない千晃さんの爪は皮膚をつき抜いていた。
宇「っ」
伊「どぉしたのぉ?宇 ・野 さん?」
爪が中の肉にまで入ろうとした時────
末「千晃っ。行くぞ」
思いっきり秀太が離してくれた。
1人教室で流れ続ける腕の血をみつめていた。
どれくらい時間が経っただろう。
大量の血の海が床に広がり意識が遠のき倒れ込む瞬間───
「おい !!! 何してんだ !!!」
大きな腕に優しく包まれた。
ほんのりシトラスの香りがしてとても気持ちよかった。
そこで私の意識は途絶えた。
これが隆弘と私の出会い。