伊藤 side

「真ちゃんだーいすき!♡」

「俺もやでー!千晃!♡」


これは偽りの愛。


男なんて信じちゃいけない。








そう、自分に言い聞かせてきた。

あなたに出会うまでは────。



物心ついた頃には父親は女を作って逃げており、母と2人で暮らしていた。


高校2年生の頃、ある日、突然父が帰ってきた。

「千晃、いい女になったなー。」

欲にまみれた目に怯えた。

母は私を養うために一日中働きに出ていたため家には私一人。

手を掴まれ、振り払おうとしても男の人の力には到底勝てなかった。

縄で拘束された私は抵抗しても叶わず、一日父に犯され続けた。


それから毎日、父は母がいない時間に私を襲うようになった。



ただ逃げたかった。

できるだけ遠くへ。



隣町の私のような若者がたくさんいる、西島組がおさめていた涙世に逃げてきた。




そしてあなたに出会った。


゛西島隆弘   ゛