10月7日はシューラ・チェルカスキーのお誕生日でした(生1909年)。

ホロヴィッツと共にピアノにのめり込むきっかけとなったピアニストです。チェルカスキーを知ったのは子供の時に見たNHKの音楽番組でした。小柄なお爺ちゃんが身体全身を使って演奏する、ラフマニノフの前奏曲「鐘」に一瞬に虜となったものです。ラフマニノフという作曲家に出会ったのもその時だったと思います。

インタビューもあり、スタジオでの演奏はゴドフスキー編曲のサン=サーンス「白鳥」。万華鏡のような音色の変化に鳥肌立たせながら聴き入ったことを鮮明に覚えています。その後、嬉しいことに、この番組制作に携わられた方から撮影時の秘話を聞かせて頂くことができ、感極まりました。

チェルカスキーの名録音の中でも、特に愛聴しているのが「アンコール集」。チェルカスキーが宝箱に入れているような大切な作品を、本当に愛おしく演奏しているのが伝わります。




ピアニスト黄金時代のロマンティシズムを感じさせる演奏スタイル、一音から芳香する倍音の美しさに昇天✨

その中の一曲、Nagel編曲によるチャイコフスキーの歌曲「ただ憧れを知るものだけは」は、チェルカスキーの「音の魔術師」ぶりに感嘆しながら、採譜をし演奏したことがあります。実演を聴いてみたかった唯一無二の名人です。





チェルカスキー「アンコール集」より
Tchaikowsky=Nagel" None but the lonely heart "

チェルカスキーといえばノリノリで弾く、モートン・グールド 「ブギブギ・エチュード」。自身の80歳誕生記念のカーネギーホールでのライブ録音🎶聴衆の熱狂ぶりも凄い!