自宅で篭るなか、読書三昧しています。
その中でおすすめと思える音楽関連の本をご紹介していきます。

『ピアノ奏法の基礎 ジョセフ・レヴィーン 中村菊子/訳』全音楽譜出版社


ピアノ奏法に関するおすすめの書籍は他にもありますが、こちらの一冊に集約されているのではと思う愛読書です。65ページの薄さながら、内容はとてつもなく深いです。





ジョゼフ・レヴィーンはロシア出身の伝説的ピアニスト。同門のラフマニノフ、スクリャービンと共にモスクワ音楽院を金賞で卒業。すごい時代ですね。

アメリカに移住後は、ピアノデュオとしても名演を残したロジーナ夫人と共にジュリアード音楽院設立に貢献しロシアン・ピアニズムを広めました。その成果は、ヴァン・クライバーンの第1回チャイコフスキーコンクール優勝として実ることに。

中村紘子さんが序文に綴ったエピソードが興味を湧き立たせてくれます。
ロジーナ夫人とのレッスン中にリヒテルが電話をしてきたことがある「どのようにしたらジョゼフ・レヴィーン氏のように、ショパンの3度のエチュードが弾けるようになるのか教えてください」

ピアノ奏法についてだけでなく、ピアノ指導者に向けての心得も胸に刻んでおきたくなります。

1924年アメリカで刊行され、日本語訳は1981年刊行のロングセラー本。