こんにちは、あゆこです。
今日は、イザナギが流した涙から
生まれたとされる水の神様
●泣沢女神とはどんな神様?
泣沢女神は、イザナミが死んだ悲しみによって
イザナギが流した涙から生まれた神様です。
漢字では、「泣沢女神」以外に
・啼沢女神
・哭沢女命
と表記されることもあります。
名前の漢字だけを見ると
「何か悲しいことに対して涙を流して泣く神様」
といったイメージを持つ方もいるかもしれませんが、
意外にも伝説にはそのような話は残っていないのだそう。
ではなぜ、泣沢女神(ナキサワメ)の
名前が付いているかというと、
葬儀の際に死者の魂を慰めるために
「泣き女」という役割をする者
(霊魂と人間の間を媒介する役目を持つ)※
を神格化した神様だから、と言われています。
※この話のルーツは朝鮮や中国であり、
葬式を執り行う際に「泣き専門の女性」がいたことに
関連しているようです。
●泣沢女神は井戸の神様
『古事記』によれば、泣沢女神は
「山の畝尾の木の本に坐して、泣沢女神と名づく」
と記されています。
ここに登場する「山」とは、
奈良県にある大和三山のひとつである香久山のこと。
現在もなお、その畝傍にある神社(畝尾都多本神社)に
井戸の神様として祀られています。
また井戸以外にも、
泣沢女神の「沢」の字が水や泉、湖などを連想させることから、
「湧き水の神」「新たな生命の源となる神」としても有名です。
こうした背景から、
・新生児守護
・長寿
・安産
・降雨
などのご利益があるとされます。
●泣沢女神を祀る神社
泣沢女神を祀る神社は全国にいくつかありますが、
なかでも上記に出てきた
「畝尾都多本神社(奈良県橿原市)」は
代表的な神社です。
この神社にある御神体の井戸の中には、
泣沢女神が流した涙があるとも言われています。
(畝尾都多本神社の特徴は、本殿が無く、
井戸が御神体であるところなんです。)
境内は薄暗く、独特な雰囲気が漂う場所。
水の神様ということで、
井戸の神様、新生児の守護神として
わざわざ遠方から参拝に訪れる方もいらっしゃるようです。
奈良県を訪れた際には、
神聖な空気を感じに畝尾都多本神社まで
足を運んでみてはいかがでしょうか。