こんにちは
あゆこです。
今日は「大いなる土地の神様」として知られる
おおなむち(大国主)について
お話していきます。
●おおなむちとはどんな神様?
「おおなむち」の名前には、
・おお⇒大いなる
・ な⇒あなた、汝、土地
・むち⇒人や神様の尊称
という意味があります。
この名の通り、おおなむちは
大いなる土地の神様として
スクナヒコナと共に
国の平安や国土を守ってきました。
また全国を巡り歩き、
国土や農業の保護、
まじないの法の制定
といった事業も行ったようです。
そのほか、
温泉や薬の神様としても
よく知られています。
●おおなむち=オオクニヌシ?
一般的には、
オオクニヌシという名前で
呼ばれることが多いおおなむちですが、
この両者の名前には
どのような関係があるのでしょうか。
まずはおおなむちの
エピソードから見ていきます。
おおなむちは、
日本に伝わる有名な物語
『因幡の白兎』の主人公です。
彼にはたくさんのお兄さんがおり、
いつも兄たちからいじめられてきました。
しかし、因幡の白兎を助けたり
スサノオから愛のムチを与えられたりして
立派に成長を遂げます。
そして、成長後に
名前や奥さん(嫁)、
3つの貴重なアイテム(琴・剣・弓)を
スサノオからもらい
国土を治めていくことになるのです。
冒頭の問いに戻りますが、
おおなむちとオオクニヌシ、
この2つの名前が出てくるのは、
古事記において
・幼少期⇒おおなむち
・青年以降⇒オオクニヌシ
と使い分けられているためです。
一方、日本書紀では
「おおなむち」の名前しか使われておらず
「オオクニヌシ」との表現は見られません。
こうした背景もあり、
おおなむち、オオクニヌシなど
さまざまな表現で
呼ばれているのです。
●おおなむちの伝承の地
おおなむちは出雲の地にゆかりが深いこともあり、
出雲のある島根県には
おおなむち伝承の場所が多数現存しています。
たとえば、
島根県飯南町の「琴引山」。
この山の峰には、
大神岩という琴の形をした岩があり、
それがおおなむちの琴であったとの
言い伝えがあります。
これに由来して、
山の名前が「琴引山」と
なったのだそうです。
また、
島根県雲南市の「城名樋山」は
おおなむちが兄の神様たちを
討つために作った城があったこと
に由来しているのだとか。
そのほか、島根県外だと
道後温泉や有馬温泉なども
おおなむちゆかりの地の
ひとつに挙げられています。
●おおなむちを祀る神社
おおなむちを祀る神社は
全国各地にありますが、
・神田明神(東京都千代田区)
・大己貴神社(福岡県朝倉郡)
・三輪神社(大阪府高槻市)
・大穴持神社(鹿児島県霧島市)
などが有名どころとされています。
おおなむち・オオクニヌシを
祀る神社と検索すると
たくさんの神社がヒットしますので
あなたの近くにも
ゆかりの場所があるかもしれません。
ぜひこの機会に、お近くの神社に
足を運んでみてはいかがでしょうか。