「真莉亜ちゅわ~ん♡おかゆ、持って来たよ~ん♡」

 

ウルフ一郎さん!わざわざありがとうございます。

 

「いいえ~♡ささ、あーん、しよっ。」

 

「あ―ん。」

 

ぱくっ。

 

「ん~♡ほっぺがとろけるぅ〜♡」


「やっぱ君は、かっわい〜♡」


えへへへへ。


「おい。」


ウルフ一郎さんが後ろを振り返ると……。


「ロ、ロンゲヤロー!」


「まあた人の嫁さんを独り占めしやがって!ゆるさん!」


「い、いいじゃねぇかよ、別に。」


「よくない!」


「ジュンブライト、ウルフ一郎さんは私のために来てくれたんだよ!」


「あ、そ。じゃあ、ゆっくりして行ってくださーい。」


「なんだよ、その言い方は!」


もう、やめてください!


「はーい♡」


「ところで、彼女とはどーしてるんだ。」


「だから2年前から会ってねぇって言っただろう!」


あ、そーいえば……。


「どうしたんだ?」


「昨日、街に行ったら、野菜屋さんで、ネルさんらしい人がいたんです。」


「えっ!?」


「顔はわからなかったけど、ポニーテールで、背が172cmあって、刀を持っていて、髪の色は黒でした。」


「ネルはきっと、ここに来ているかもしれねぇ!」


「……、」


ウルフ一郎さん、どうしたんですか?急にだまりこんで。


「あ、いや、なんでもないっ。」


ふーん。


「……。」


ジュンブライトが、ウルフ一郎さんをじーっと見つめた。

ゔ!


「どうしたんだ!?真莉亜!」


は……吐きそう。


「バカオオカミ!洗面器を持って来い!」


「わかった!」


ウルフ一郎さんは、急いで洗面器を持ってきた。


「持って来たぜ!」


「おぉ!サンキュー!」


「オェー!」


私は洗面器に向かって吐いた。

ジュンブライトは、吐き続ける私の背中をこすった。


「オェー!」


「真莉亜ちゃん、ひょっとして、つわりがひどい方?」


「あぁ。」


「オェー!」


「真莉亜!しっかり!」


「オェー!」


もう、きつい……。


「オェー!」


自分がどんどん、苦しむ……。


「オェー!」


ガチャッ!


「お妃様の容体は!」


「また吐いてしまったんだ!」


「オェー!」


「吐き気止めの薬は!?」


「ありますよ。」


先生が、にっこり笑いながら、薬を見せた。


「ふぅ、よかったぁ〜。」


「……はぁ、はぁ。」


「真莉亜、一回、うがいして。で、薬を飲もう。」


うん……。

私はこくりとうなずいた。



                                      ☆



薬は飲んだけど、また吐いちゃった。

もうこれで、何回目だろ。


「真ー莉亜っ。」


わ!もう、びっくりさせないでよぉ。


「アハハハハ。ごめんごめん。」


「ところで、もう大丈夫なの?具合は。」


う〜ん、わかんないです。


「妊婦さんは大変ですね。」


「あたり前だ。お前もいつか、経験すっぞー。」


「えー?いやですぅ。つわりは痛いし、きつそーだしぃ。」


「マドレーヌ、それを乗り越えなければ、赤ちゃんなんて、産めないぞ。」


「兄さん。マドレーヌは誰にもやりませんから。」


「すっごい親バカだなぁ、こいつ。」


「……。」


「どうしたんだ?真莉亜。」


……私、不安なの。

この子を無事産めるのかって。


「真莉亜……。」


今、もう限界が近づいてきてる。

吐くし、頭痛がくるし、目まいがして、たおれるし。

本当にバカだよ。


「ネガティブな真莉亜ちゅわん、初めて見た。」


「私、産みたくない。」


「えっ……。」


「もう、いやなの。自分を苦しめるの。だって、16だもん。こんな経験をするのが、まだ早かった。もうちょっと大人になってから、妊娠したかった。もう、これ以上、がまんできない。先生、おろしてください。そしたら、自分は自由になれるはず……。」


「バカなこと、言ってんじゃねぇ!」


ジュンブライトが怒鳴ると、部屋が静まり返った。

ジュンブライト……。


「なにが自由になれるだ!ふざけるんじゃねぇ!この子の命をうばう気か!とぼけるんじゃねぇ!たった2ヶ月の命を放置しようとするなんて!お前がつくりたいって言ったから、つくってできた子供だろーが!お前はそんなにあきらめるとこ、俺は初めて見たぜ!だから!俺がお前の苦しみを、しっかり受け止める!死んでも、しっかり受け止めてやる!だから、二度と、産みたくないとか、ネガティブなこと、言うなよな!」


ジュンブライト……。

私の目に、涙があふれてきた。


「……そうだよね。ちゃんと、前を向いてなきゃ、だめだよね。」


「あぁ。」


「……ごめんね。マイナスなことを言って。」


「いいんだ。真莉亜さん、気にしないで。レオンもそうだった。体が元々弱かったため、つわりがひどく、あきらめかけていた。だが、私の言葉にはげまされ、レオンは産むことを決意した。」


そうなんですかぁ。


「赤ちゃん、ごめんね。マイナスなことを言って。」


私はお腹をさわった。

ビクッ。

あ、動いた!


「えっ!?うそ!どらどら。」


ジュンブライトが、お腹の音を聞いてきた。

ビクッ。


「あ、動いた!」


「うふふふふ。赤ちゃ―ん、早く生まれて来てくだちゃいねぇ〜。まってまちゅよぉ〜。」


私はそう言いながら、お腹をさわった。

あなたが生まれて来るまで、お母さんらしくするからね。



                               ☆次回予告☆


   定年退職で辞めることになった先生の代わりに、

新たにお城の専属医者になったのは……えっ!?

まさかのあの人!?

うわ〜!超〜お久しぶりですぅ〜!

次回、ヴァンパイア♡ラブforever「新しい先生はあの人!」

愛してるよ、ジュンブライト。