みなさん、明けまして、おめでとうございます。今年も、『ヴァンパイア♡ラブ』を、よろしくお願いします。
さーて、私はなにをやっているのかというと、初もうでが終わって、今、帰っているところです。
で、いっしょに帰っているのはもちろん・・・・・・。
「なぁ、真莉亜は今年の目標は、なんにするんだ?」
「今年の目標?私は、勉強をがんばるっかな。ジュンブライトは?」
すると、ジュンブライトは大きく体を張って、それから、ニッと笑って。
「俺の今年の目標は、真莉亜にいっぱいプロポーズをして、真莉亜と結婚することだ!」
やっぱり・・・・・・。そう言うと思った。
すると、ジュンブライトは急に、私の両手をぎゅっとにぎって。
「真莉亜、結婚しよう!」
はぁ?もう今年の目標、達成しようとするの?
「あたり前だろ。今年の目標を一発で達成するのが、男だぜ!」
い、意味わからん。こいつが言っていること。
とにかく私は、あんたと結婚するのはひゃっか。結婚するのは、私が16歳になってからねぇ。
「いや!ヴァンパイア界は年齢関係なく、結婚する国民が多いんだ!お前が16歳になるまではまてん!」
ヴァンパイア界と人間界の法律は違うの!この、わがまま王子め!
「なんだとぉ?」
ひぃ、ジュンブライトのまゆが4倍、つり上がってるぅ!
しかも、顔は怒っていて、目は私の方ににらんでいるし!
もしかして、もしかすると!
「お前、母ちゃんは何歳で、結婚したと言ったんだ?」
えっと・・・・・・、20歳って、言ってなかったっけ?
「は、そんなの遅すぎる。真莉亜、共にヴァンパイア界を平和にしよう。」
ひぃぃぃぃ!ジュンブライトが、とんがった歯を出して、私の首のまわりをかもうとしているぅ!
だれか、お助けを~。
「王子!」
パコーン!
「いたっ!」
だれかが、ジュンブライトの頭を、おもちゃのハンマーでたたいた。
しばらくして、ジュンブライトはばたりとたおれた。
「もう、正月そうそう、真莉亜様にめいわくかけたら、だめですよ。」
ルクトさん!
「真莉亜お姉様。明けまして、おめでとうございます。」
マドレーヌちゃん!今年もよろしくね。
「真莉亜、今年もよろしくね。」
リリアさん!今年もよろしくお願いします。
「ところで、ルクトさん達は、何しに来たんですか?」
「何しにって、見ての通り、初もうでじゃないですか。」
えっ!?ルクトさん達、初もうでに行ったんですか!?
「あたり前でしょう。」
出た。流行語ノミネート大賞予定の言葉。
「マドレーヌが急に、「初もうでに行きたい!」って、言い出して、火野王大神社に行ったの。」
火野王大神社!?そこ、私達も、行きました!声、かければよかったのに・・・・・・。
「その帰る途中、王子が真莉亜様におそいかかっているのを見て、すぐにこらしめてやりました。」
ありがとうございます、ルクトさん。
「いてててて・・・・・・。あ、じいや、マドレーヌ、リリア!」
あ。もうお目覚め?ジュンブライト。
「王子、もう二度と、真莉亜様をあんな目にあわないでくださいねっ。」
「へーい、へい。」
返事ぐらい、ちゃんとしろ!
あ、ところでジュンブライトとマドレーヌちゃんとルクトさんとリリアさん、ヴァンパイア界のお正月は、どんなのが、あるんですか?
「知りたいか?」
知りたいです。
「ヴァンパイア界のお正月は、超~すげぇぞ!まず、ごちそうは、ヘビのおぞうにに、てんとう虫のかまぼこに、まむしのさしみに、ちょうちょの羽と、かえるのお煮しめ!さらに、俺のイチオシは、青虫の液体でつくった青虫ジャムと、ハカタの塩でまぜた、青虫のようかんが、一番、おいしいぜ!」
ゔぅ、聞いただけで、気持悪くなってきました・・・・・・。
「それだけじゃありません。ハルルさんのお正月ライブは、ヴァンパイア界にとって、盛り上がる行事ですよ。」
ハルルさん?誰それ?
「とってもかわいくて、小顔で、なんと、ギラ様の妹なんですよ。」
えぇ!?ギラ様の妹なんですか!?
「あぁ。いつも二人で一緒にいて、アクアの恋のライバルらしいぜ。」
あ。アクアさん、ギラ様のことが大好きなんだったっけ。
それより私、ハルルさんのお顔が見たいです。
「これよ。」
リリアさん、スマホを持っているんだぁ。
「『夏、秋、冬、ハルルちゃーん♡』」
うわぁ。すっごいおじさん達の声。てか、ふつー『春、夏、秋、冬』でしょ。
「『みんなぁ、明けましておめでとーう!』」
あ、この人が、ハルルさん?かっわいい~♡
「『ハルルちゃーん!会いたかったよぉ♡』」
おそるべし、ハルルさんファンのおじさん達の声。
「『ハルルも会いたかったよぉ♡さぁ、最初の歌を歌うよぉ♡聞いてね。『ハルルの夏休み』!』」
うわぁ。歌、うまーい♡
・ ・ ・
「トイレに行っトイレ!」
ん?トイレはもう、朝起きてからしたよぉ。
・ ・・
「オオカミがトイレに入って、オー紙がない!」
オオカミがトイレに入って、「オー紙がない!」って、言わないでしょう。
ねー、ジュンブライト・・・・・・。
わわわわ!ジュンブライトが、カッチンコッチンの氷の中で氷ってるぅ!
ジュンブライトだけじゃない。マドレーヌちゃん、リリアさん、ルクトさんもみーんな、氷!
なんでなんでぇ!?
・ ・ ・・
「太陽に行ってみたいよう!なんちってぇ、二ヒ二ヒ。」
ん?その笑い声、なーんか、聞き覚えがあるんだよねぇ。
「アハハハハハ!」
しかも、大きな笑い声が聞こえる。
・ ・ ・ ・
「そうだ!ソーダーを飲もう!」
「アハハハハ!」
つ、つまらん。こんな時期におやじギャグを言って、おやじギャグで笑う人なんて。
一体、どこでおやじギャグショーをやってるんだ?
私が辺りを見回すと、また。
・ ・・・ ・ ・・
「教科書、かしてください。よし、きょうかしよう。なんちってぇ、二ヒ二ヒ。」
「アハハハハ!」
ん?菜の花広場で声が聞こえるぞ。
よし、行ってみよう!
私は、菜の花広場まで、ダッシュした。
ん?人がたくさん、ステージの前に集まってるぞぉ。
なんか、お笑いステージでも、あるのかなぁ?
でも今日は、菜の花広場に芸能人がこないんじゃなかったっけ。
・ ・
「あなたのファンです!不安だなぁ。なんちってぇ、二ヒ二ヒ。」
むむ!あの赤毛のみつあみをしていて、いつもニカニカ笑っているのは・・・・・・。
「笑里奈さん!?」
なんで、なんでぇ!?菜の花広場のステージは一般人の路上ライブ、禁止なんじゃなかったの!?
「あ。真莉亜ちゃん、明けましておめでとう。」
あ、おまわりあさん。こちらこそ、明けましておめでとうございます。
・・ ・・
「アサリがあっさりとれる。なんちってぇ、二ヒ二ヒ。」
「ガハハハハ!」
おまわりさん、自転車に乗りながら、笑っています。
「ところでおまわりさん、菜の花広場のステージは、一般人のライブ、禁止じゃ・・・・・・。」
「笑里奈ちゃんは特別だよ。」
特別?
「そう。笑里奈ちゃんはこう見えて、お笑い芸人を目指しているからねぇ。大阪でも、けっこう路上ライブをしていて、大好評だったらしいよ。」
へぇ。笑里奈さん、人気者だったんだぁ。
「あと、笑里奈さんのお姉さん、まだデビューしたばかりの、お笑い芸人なんだよ。」
えぇ~!?そんなの、知らなかった!
「真莉亜ちゃん、笑里奈ちゃんとは、どういう関係なの?」
「同級生で、クラスメイトなんです。」
そのとたん、おまわりさんの目が点になった。
・・・・・・どうしたんですか?
「すごいねぇ、真莉亜ちゃん!おじさん、知らなかったよぉ!」
ちょっとおまわりさん、手をそんなに強く、にぎらないでください!
「あ、そうだ!真莉亜ちゃんに、これをやろう!」
おまわりさんが私の前に差し出したのは、ようかんが入ったパック。
それを、私は手に取った。
「そのようかんを、家族みんなで仲良く食べてね。」
あ、ありがとうございます。
・・ ・・
「じゃあまたね。洋館でようかんを食べる。ハハハハハハ!」
おまわりさんは、最後におやじギャグを言い残して、笑いながら帰っちゃった。
「真莉亜!」
あ、ジュンブライト。元に戻ったんだ。
「それより、なにがあったんですか?」
あのね、私のクラスメイトの川辺笑里奈さんっていう人の路上ライブが、菜の花広場のステージであったんだよ。
「川辺・・・・・・。」
「笑里奈?」
「誰ですか?それ。」
あ。ルクトさん達は知らないか。
「あ、春間さん。」
あ、笑里奈さん!もう、路上ライブ、終わったんですか!?
「うん、そうだけど。なんで春間さんがそれを知っとるん?」
「初もうでの帰りに、たまたま、菜の花広場から笑里奈さんの声が聞こえたから、私が菜の花広場まで行くと、笑里奈さんがお笑いショーみたいなのをやっていて・・・・・・。おまわりさんに聞いてみたら、笑里奈さんはよく路上ライブをやっているって聞いたんです。」
そのとたん、笑里奈さんが二カッと笑った。
「春間さん、ツッコミ、大得意やろ?」
え?なんで知ってるんですか?
「だって、黒月さんが言うてたんやもん。」
はぁ!?
「二ヒ二ヒ。」
こらぁ!笑うなぁ!
「はい、これ。」
笑里奈さんが私の前に紙を差し出した。
なんだろ?
私が不思議そうにその紙を取ると・・・・・・。
『第29回 中高生お笑いコンテスト 参加者募集! 対象年齢は、13歳~16歳まで!優勝者には1万円をプレゼント!未来のお笑いスターは誰の手に!』
えぇ~!?私、お笑い芸人を目指してないから、ひゃっかしまーす!
「お笑い芸人目指してなくても、いい思い出になるんやで。」
いや、私は人前でツッコミたくありませんので、ごめんなさい。
そのとたん、笑里奈さんはポケットから何かを取り出した。
そして、その何かを私の前に出した。
「千円あげるよ。」
えぇ!?千円だったのぉ!?そんなの、いりませんえん!あ、ギャグ言っちゃった・・・・・・。
その瞬間、笑里奈さんが顔をにやにやさせながら。
「ギャグのセンス100点満点っと、言うことで、合格やで~!」
えぇ!?これ、テストだったんですかぁ!?
・ ・・
「今日、テストですと!?なんちってぇ、二ヒ二ヒ。これが春間さんの心の中で思っていることやでぇ。」
す、すごいです。人の心をおやじギャグで読めるとは。
でも、私、ギャグを言った瞬間、なんだかお笑いコンテストに出場したくなった気がしたよ。笑里奈さんと。
「笑里奈さん、私と一緒に、お笑いコンテストに出場しましょう!」
土下座しながら、私が言うと、笑里奈さんは二カッと笑った。
・ ・・ ・ ・
「よろしい。では、今日コンビ名とネタ合わせをするで!あたいんちでなっ。」
え?今、なんて・・・・・・。
・ ・ ・ ・・
「だから、あたいんちで、コンビ名とネタ合わせをするで!」
えっ、えぇ~!?そんなの、早すぎますぅ!
「早すぎちゃうで!ええか?今日の夕方5時に、電話するから、電話するから、泊まる準備をしなっ。」
てか、笑里奈さんちにも泊まるんですかぁ!?
「あぁ。あと、春間さんのアドレスを教えてくれんか?」
えぇ!?私の!?
「そう。」
そう言いながら、笑里奈さんが私の前にメモ帳と鉛筆を差し出した。
私はそれを取ると、さっそく、自分のアドレスを書いた。そして、私が書き終わって、笑里奈さんに返すと、笑里奈さんはまた、二カッと笑った。
・ ・・ ・ ・・ ・
「これが私のアドレスです。あ、どれっすか?なんちってぇ、二ヒ二ヒ。」
最後におやじギャグを言って、帰りました。
☆
歯みがきよし、パジャマよし、おふろセットよし、冬休みの宿題も、着がえもトランプも全部、よし!
はぁ、お母さん似ちゃーんとおとまりと、お笑いコンクールのことを言って、よかったよぉ。
お母さん、だめって言うかと思ったよぉ。
「真莉亜が初めて友達の家にとまる!あぁ、今年はなんて、すばらしいお正月なの~。」って、泣いてたんだけどね。
「じゃあ、おとまりに必要なものを、自分で準備して自分でチェックしなさい。」って、言われたんだ。
お母さん、こう見えて心配性なんだ。
ええっと、今、何時だろ。
私が、すぐ近くにある目覚まし時計を見ると・・・・・・。
わ!4時55分!笑里奈さんから電話、かかってくるの、もうすぐじゃん!
仕方ない。5時になるまで、目覚まし時計をじっと、見つめよう。
カチ、カチ。
時計のはりが、少しずつ、12の方へ進んでいく。
カチ、カチ。
あと一分。
カチ、カチ。
頭の中で、時計のはりが動く音が鳴り響く。
カチ、カチ。
キーンコーンカーンコーン。キーンコーンカーコーン。
え?今、外で菜の花広場のチャイムが鳴った?
私が、あわてて目覚まし時計を見ると・・・・・・。
うわぁ!もう、5時になってるし!
トゥゥゥゥル。
下から、電話の音が鳴り響く。
「あー!私が出るぅ!」
私は、あわてて階段をおりて、電話のところまでダッシュして、受話器を取った。
「もしもし、春間ですが・・・・・・。」
・ ・・「『電話にでんわ!なんちってぇ、二ヒ二ヒ。』」
もう、出てますけど。
「『春間さん、菜の花広場に行っとって。あたい、迎えに来るから。』」
あ、はい。わかりました。
・・ ・・ ・
「『じゃあ、さよおなら~。なんちってぇ、二ヒ二ヒ。』」
プープー。
最後におやじギャグを言って、電話を切るなんて、すごすぎます。
さっすが、大阪人です。
トゥゥゥゥル。
また、電話が鳴り始めた。
笑里奈さん、何か言い忘れたことでもあったのかなぁ。
そう思いながら、私は受話器を取った。
「もしもし、春間ですが・・・・・・。」
・・ ・
「『電話にでんわ!なんちってぇ、二ヒ二ヒ。』」
もう、出てますけど。てか、笑里奈さん、何か言い忘れたことでもありましたか?
「『俺は、笑里奈じゃねぇぞ!』」
確かに。声は男の人で、しゃべり方は関西弁じゃなくて、自分のこと、『俺』って言ってるし。
まさか、この人・・・・・・。
「ジュンライト!」
「『あったりぃ。よーく、気付いたな。』」
ゾロリみたいな声で、気付きました。
ところで、何か用なの?
・・ ・
「『ぶたのまぶた。なんちってぇ、二ヒ二ヒ。』」
おやじギャグじゃなーい!何か用なのって、言ってんの!てか、笑里奈さんのまね、するんじゃない!
・・
「『サンジ、今何時?今、3時!なんちってぇ、二ヒ二ヒ。』」
国民的アニメのキャラを、ギャグにするとは・・・・・・。すごいヴァンパイアです。
・・ ・
「『ゾロリ達がせいゾロリ!なんちってぇ、二ヒ二ヒ。』」
いたずらの天才をギャグにするとは・・・・・・・。
・
「『缶が感動した!なんちってぇ、二ヒ二ヒ。』」
今回は、おやじギャグが多いです。
「もう!なんにもなかったら、電話、しないで!」
怒りながら、私は電話を切った。
はぁ、はぁ。一体、なにをしたかったんだろ。
☆
菜の花広場の前で、私は笑里奈さんをまっていた。
それにしても、もうすっかり、夜になりそうだよぉ。
ヒューって、冷たい風が吹くし、電灯に、明かりが付いてるし。
早く、笑里奈さんの家の中であったまりたーい。
「遅くなってごめんな、春間さんっ。」
笑里奈さん!もうずっと、まってましたぁ。
「えへへへへ。だって、店番に冬休みの宿題にとか、いそがしかったんやもん。」
やっぱ、両親が店をもっている子って、いそがしいんですね。いろいろと。
・ ・
「あぁ。さぁ、バスに乗って行こうか。」
・ ・
え?バスに乗って行くんですか?
「うん。あたいの店、ちょこっと遠いからなぁ。」
えぇ~!?そんなの、早く言ってくださいっ。
「ごめんな。電話を切った後、急に、あー!って、思い出したんやで。」
あぁ。お金、もってないよぉ。どうしよ。
「あたいがおごってやるから、安心しとき。」
え?おごってくれるんですか?
「うん。」
うわぁ、ありがとうございます!笑里奈さん!
はぁ。こーんな優しい大阪人がおごってくれるなんて、真莉亜、感激です。
そんな私達の前に、1台のバスがとまった。
「春間さん、行こう!」
えぇ!?あのバスに乗って行くんですか?
「あたり前やろ!さぁ、行くで!」
笑里奈さんは、私のうでをがっしりにぎって、バスの中に入った。
私達が入ったと同時に、バスのドアが閉まって、バスが動き始めた。
「間に合って、よかったなぁ。」
ですねぇ。さ、座りましょ。
私達がいすにすわろうとした、その時。
「あーら、こんなところでぐうぜんですわね、真莉亜様、笑里奈様。」
あれ?前でおじょう様語でしゃべっている、私達と同じ歳の子が、一人、いーや、三人、仲良くすわってるぞぉ。
「真莉亜様、笑里奈様、お忘れになったのですか?わたくしですわよ、わたくし。」
あー!
「比奈多さん、なぎささん、雪さん!」
しまった!でっかい声で言っちゃった!
「とりあえず、落ち着いて、話しましょう。あ、その前に、お二人とも、お座りになって。お話しましょう。」
あれ?いつもの比奈多さんとは違うような・・・・・・。
そう思いながら、私達はいすに座った。
「・・・・・・はぁ。」
比奈多さん、ため息をついている。どうしたんだろ。
「それは・・・・・・。」
「私達が説明します。」
なぎささんと雪さんは、私達の方を真剣な目で振り向いた。
「実は・・・・・・比奈多様、運動会が終わった後、潤様に好きだと、告白したんです。」
「そうしたら、潤様、好きな人がいるからっと、ことわったんです。」
知っています。それ、盗み聞き、しましたから。とは言わず。
「で、その後、どうしたんや?」
「その後、比奈多様は・・・・・・。」
「『潤様の好きな人は誰か聞き隊!』という、グループを作りました。」
『潤の好きな人は誰か聞き隊!』?なんですか?それ。
「潤様に関係ある人に、潤様の好きな人を聞くという、グループです。」
ルクトさんとリリアさんとマドレーヌちゃんに聞いても、無理だと思いますけど。とは言わず。
「で、そのグループのリーダーと、副リーダーは、誰ですか?」
「リーダーは、比奈多様で、副リーダーは、小春様です。」
えぇ!?副リーダーは、小春さんですか!?なんで、なんでぇ!?
「実は、グループを作る前、比奈多様、泣いていたんです。そこに、小春様がやって来て、わけを話したら、小春様、すっごく怒ってしまって。そこで、小春様が、「かわいそうな先輩を、見離すわけにはいきません!比奈多先輩、一緒に『潤様の好きな人を聞き隊!』という、グループをつくりましょう!先輩がリーダーで、あたしが副リーダーですねっ。」って、おっしゃったんです。」
あらら。じゃあ、比奈多さんと小春さんは、それで仲良くなったっていうわけですね。
「そうです。」
なぎささんは、こくりとうなずいた。
「そんで、もし黒月さんの好きな人が見つかったら、どうするん?」
笑里奈さんが聞くと、雪さんの顔が、急にこわーい顔になっちゃって。
「二度と、潤様の前に現れないよう、転校させるのです。」
えぇ!?それ、ひどすぎるんじゃ・・・・・・。
「ひどすぎじゃあ、ありませんわ!」
比奈多さん、立ち上がったら、ダメですよ・・・・・・。
「わたくしはまだ、潤様のことが大大大大大好きですわ!それなのに、潤様、わたくしのお気持ちをわかってくれずに、好きな人ができましたのよ!潤様の好きな人は、どこのどいつですか!」
ちょっ、比奈多さん、急にいつもの比奈多さんに戻っちゃって。
てか、私の服のそでをつかむの、やめてくださいっ。くるしいです!
「あ。もしかして、潤様の好きな人は、真莉亜様・・・・・・なんですか?」
え?違いますぅ!
「うそつきはどろぼうの始まりですわ!」
「そうよ、そうよ!」
うわぁ。いつもの三人組に戻ってるぅ。
おそるべし、女子のうらみ。
「『火野王大神社前~。火野王大神社前~。お降りの方は、お早めに降りてくださーい。』」
バスが急にとまって、比奈多さんは私の服をつかむのをやめた。
「まずいですわ!なぎさ様、雪様、早くいそがないと、恋結びが、売れてしまいますわ!」
「比奈多様、急ぎましょう!」
「そうですわね!じゃあお二人とも、よいお年を~。」
「よいお年を~。」
そう言いながら、比奈多さんとなぎささんと雪さんは、大急ぎで運転手さんにお金を出して、バスを降りて、行っちゃった。
☆