リオンはもう、出かけて行っちゃった。

リオンに彼氏がいることを知っているのは、あたしだけじゃなく、ガオン、ウルフ一郎のお母さん、ウルフ次郎お義兄さん、フローラ、ウルフ三郎、ロゼッタ、リン、あたしの親父、あたしのおふくろ、リリア、ギロ、ブロッサム、ゼン、春間真莉亜、ジュンブライト様、マドレーヌ、ルアン様、ジーク、ユリアも知っている。

知らないのはウルフ一郎だけ。

ウルフ一郎は、何も知らずにおみそ汁を吸っている。


「あー。ん?そういえば、リオンちゃんは?」


「リオンなら、生徒会の仕事だよ。」


「え!?休みの日なのに、学校あるのかよ!」


そうだよ。

生徒会ってのは忙しいもんだから。、


「そうか……。」


「いってきま〜す。」


「えっ!?ガオン、お前も出かけるのか!?」


「ああ。今日は友達とカラオケに行く。」


いってらっしゃ〜い。


「……はあ。なーんか今日は、落ち着かねぇなぁ。」



                             ☆



「おまたせ〜!」


「じゃ、行こっか。」


「うん!」


「うふふふふ。」  「フフフフフ。」


「フハハハハハ!」



                           ☆


フフフフフ〜ン♪

あたしは鼻歌を歌いながら、掃除機で床を掃除している。

今頃リオンは、デート楽しんでるのかな?

娘が彼氏とデートを楽しんでるのを想像しながら、あたしは楽しそうに掃除をしていた。

すると、背後にウルフ一郎が立って。


「……おい、ネル。お前、俺様になんか、隠してねぇか?」


えっ!?あたしは掃除機の電源を切った。


「リオンたんの部屋に掃除をしに行ったら、制服があった。本当のこと、教えてくれねぇか?」


……はあ。バレたんならしょうがない。

わかった。教えてやるよ。



                            ☆



「ただいまぁ〜。」


「……リオンたん、そんなオシャレして、どこに行ってたんだい?」


「せ、生徒会の仕事よっ。」


「学校に行く時は制服を着るだろ?そこまで、俺様にうそをつくなんて、ゆるせねぇぜ。」


「ま、まさかお母さん!」


ごめん!話しちゃった!

あたしは胸の前で両手を合わせた。


「えっ!?」


ガチャッ。


「ただいまぁ〜。って、おいおい。なんなんだ?この雰囲気は。」


「ガオン!早くこっち来て!」


「お、おう……。」


ガオンはあたしのところに小走りで走って来た。


「貴様、彼氏ができたんだってぇ?どこのどいつだ。」


「べ、別にいーじゃない!そんなの!」


「リオン!てめぇ、父親に反抗するようになったなぁ!」


「お父さんは黙ってよ!娘の恋愛ぐらい、わかってよぉ!」


「だめだ!俺様は言ったはずだ!30歳まで、恋愛禁止って!」




「お父さんはいつまで、私を束縛する気なの!?お父さんのせいで、恋なんてろくにできやしなかった!けど、彼は特別な存在よ!彼はお父さんよりかっこいい!なにしろ、生徒会長だから!お父さんは、私を自由にさせない、悪い父親よ!娘のこと、一つもわかってくれない!私、他の人の子供に生まれたかった!」


「リオン!」


ウルフ一郎が怒鳴ると、ゆっくりと、リオンの方へ歩いて行き……。

バシッ!

リオンのほっぺたにビンタした。

リオンはほっぺたに残っている赤い手形を、泣きながら抑えて、ウルフ一郎の方を振り向いて。


「お父さんなんか、大っ嫌い!!」


お、おい、リオン!

バタン!


「……ウルフ一郎!貴様、娘の気持ちをよくもわかってくれなかったなぁ!」


「お、俺様には、関係ないっ。」


「関係ある!娘はもう、恋する年頃!昔みたいに、お前に甘える年頃じゃねぇのさ!」


「そ、そんなの、わかってる!でも……。」


「……いい!もう知らない!」


「ちょっ、どこに行くんだよぉ!」


「……お前が頭を冷やすまで、実家に帰る!」


「お、おい、ネル……。」


ガチャン。


「お、おい!ガオンもどこに行くんだよぉ!」


「うるせぇ。おふくろに着いて行くだけだ、クソ親父。」


ガチャン。


「……あーもー!なんだよ、二人して!この、このぉ!あー!クソ、クソ、クソぉ〜!……俺様の、何が悪いってんだよぉ。」




                     ☆次回予告☆


あー。妻と息子と娘は出て行って、家に残されたのは俺様だけ……。

次回、ヴァンパイア♡ラブforever「ウルフ一郎さんの涙」

……俺様のどこが悪いんだよぉ。



            ★Happy Valentine♡★


「うわあ!美味しそう!チョコのケーキ!」


「うふふ。これはお父さんとお兄ちゃんにあげるから、ユリアは食べたらだめだよぉ。」


「えーっ?」


「うふふ。冗談!」


「ユリアの分も作ってあるから、後で一緒に食べよっ!」


「うわ〜い!」


「ユリアはジュンブライト様に似て、食いしん坊だなぁ。あたしも作らないと。」


「うふふ。気合い入ってるわね。」


「ああ!ウルフ一郎とガオンにチョコを渡すからな!2人が美味しそうに食べてるのを想像しながら作ると、嬉しいんだ!」


「私、ラージ先輩にチョコ渡す!」


「私も、ギロにチョコを作るわよ!」


「ん?ネルさん、ネルさんが作ってるのって、まさか……!」


「ん?平成女児チョコだ!」


「え〜!?懐かし〜い!」


「平成……。」


「女児チョコ?」


「何それ。」


「私達が小学生の時に流行ってたチョコよ。カップに溶かしたチョコを入れて、冷蔵庫に冷やして簡単に作れるから、平成女児チョコって言われてるの。」


「私もよく作ってたなぁ。」


「私も!そのチョコ作りたい!」


「私も私もぉ!」


「お母さん!作り方教えて!」


「うふふ。いいわよ。」