私は二十歳の時に実家を出て、一人暮らしを始めた。
もうかれこれ6年近くが経つ。
うちは両親が私が小4の時に離婚している為、今は母と2つ上の姉が、実家に住んでいる。
単純に、憧れて始めた一人暮らし。
当時母は、看護師として働いていた。
しかし最近は、肩を壊したりなんだりで、数年仕事から遠ざかっている。
ましてやまた仕事を探そうったって、今年で57歳になる母だ。
なかなか雇ってくれる所などない。
つまり、姉が、大黒柱。
安月給で、一人でいっぱいいっぱいの私が実家に入れられるお金なんて、月に1万円程度が限界だ。
私は、何度か
「実家戻るよ?」
と言った。
しかしその度に姉は
「あんたは一回家を出たんだから、それはいい」
と頑なに言うのだ。
今更この家に3人で住むのは窮屈だの、お前が帰ってくるといっぱい食うから食費が高くつくだの。
だから帰って来るな、と。
基本的に表面上は、姉は私に冷たい、というか素っ気ない。(まぁ歳が近い姉妹にありがちな光景)
だけど知っている。
姉は、妹思い、家族思いだ。
幼い頃からそうだった。
我が家には、私が小学校の低学年くらいまで、母が決めた変なルールがあった。
部屋が散らかってる状態が、注意をされても何回も続いた場合、家から締め出される。
といっても、玄関の前で1~2時間。学校で廊下に立たされるようなもの。そこでしばらく反省してなさいと。
ある時私は、片付けなかった罰として、「反省タイム」を2時間くらいやる事に決まった。
それはそれはただぼーっと立ってる時間としては、とても長い時間だ。
確か、半分くらいの時間が過ぎた頃だろうか。何やら家の中から、姉と母が言い争う声が聞こえる。
「お母さん!ナオが可哀相だよ!私が代わりに立ってあげてもいい?」
「駄目!本人が反省しなきゃ意味ないの!」
内心母は、幼い姉妹愛に感動したに違いない。笑
こんな事もあった。
友達同士で、トランプをやっていた。
「負けた人は罰ゲームでコマネチね!」
私は、負けた。
プライドの高い小学生だった私は、頑なに拒んだ。
コマネチなんて恥ずかしいまね…出来るか、んなもん…!
周りからはもちろんブーイング。
「何でやんないんだよー」
「約束が違うだろー」
すると姉。
「わ、私がコマネチやるよっ!!」
(゚Д゚)!!
今思い出すと笑える話だが、姉の妹思いは、こんな頃から始まっていた。
「私は、お姉ちゃんなんだから」という、幼なながらの責任感というものなのか。末っ子の私にゃ分かりやしないが。
でも今は、私だって子供じゃない。このまま姉に甘え続ける事に、罪悪感を感じずにはいられない。
実家に戻らないなら戻らないで、他に掛け持ちで出来る仕事をさがそう。うん。