第2次安倍政権以降、経済格差が広がって自己肯定感が下がり、抗議しない社会になった
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中村文則(作家)
第2次安倍政権以降、経済格差が広がってしまった。社会は共存から対立への傾向がより強くなったと感じる。格差が広がっても自分たち(政権)のせいにしようとしないため、まるで政策ではなく貧しい側が悪いという「自己責任論」を陰に陽に撒き散らすことにもなった。テレビに出る(是々非々のふりをした応援団の)論客たちもそれを後押しした。「社会ではなく私のせい」となるため国民の無意識下の自己肯定感も自然と下がっていく。社会がすさんでいくのは当然と言える(ちなみに安倍政権が失業率を改善させたとするデマがあるが、少子高齢化の影響に過ぎず、旧民主党政権時代から改善が始まっていたのはデータを見れば明らか。安倍政権以降、日本は賃金が諸外国と比べずっと低い)。自己肯定感が下がると自分を責めてしまうから、社会への抗議も減っていく。
「社会への抗議も減っていく」
私は、”羊の大群”と使って来た
この状況は
決して自然発生ではない
ダイナミックな支配の戦略の結果だ