「インパールの悪夢」の再来 | 社会の裏を晒すブログ

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尾身会長「排除」の先に見えてくる「インパールの悪夢」の再来
青沼 陽一郎 2021/06/07 12:00

インパール作戦の中止を訴える部下の声を無視し、旧日本軍を泥沼に突っ込ませた東条英機

尾身会長
「今の状況で(オリンピックを)やるのは、普通はない」
「何のために開催するのか明確なストーリーとリスクの最小化をパッケージで話さないと、一般の人は協力しようと思わない」
「オリンピックは普通のイベントと規模も注目度も違う。人の流れが生まれる。スタジアム内の感染対策だけを議論しても意味はない」
「ジャーナリストやスポンサーら大会関係者がプレーブックを遵守してくれるのか。選手より懸念があるのは専門家の一致した意見だ」
「お祭りムードになって普段会わない人と飲み会をすると、感染者、重症者が増え、死亡者が出てくることもあり得る」

これに対して、田村憲久厚生労働大臣は、
「自主的な研究成果の発表という形で受け止める」
と、言ってのけた。

「1億総火の玉」で五輪突入を強いられた日本国民
オリンピックありきで政治家が専門家の科学的知見に耳を傾けない。それはまるで戦時中の日本を連想させる。


「反対意見や直言を排除し作戦遂行」は大戦時と同じ態度
 こうした状況は、先の大戦の日本陸軍にも見て取れる。参謀の反対意見や現場将校の直言を互いに無視するどころか、解任してまで作戦を遂行したことによって、日本を惨憺たる敗北国に導いている。
日本の戦局を大きく変え、敗北へのターニングポイントとなったガダルカナル島の奪還にも、3回の攻撃が繰り返され、その度に増派したものの、帝国陸軍の伝統である夜襲による「全軍突撃」に固執したことで、敗退を余儀なくされている。

 実は、この3回目の「全軍突撃」にあたって、十分な戦備と補給、空軍の協力を得られない決戦は避けるべきとした二見秋三郎参謀長は更迭されている。さらに現場で指揮をとる川口清健少将は、参謀本部に敵陣への正面攻撃を避けるべきだと進言する。前回2回目の突撃の教訓があった。ところが、その進言が受け入られず、再度、参謀長に見直しを求めたところで現場指揮官を罷免となった。その末路は、歴史が示す通りだ。

 また、史上最悪の作戦と酷評されるインパール作戦。この作戦立案にあたっては当初、補給をはじめ無理があるとして、現地の第15軍の幕僚たちは作戦の不可を申告していた。これに立案の中心人物だった牟田口廉也中将が激怒し、同軍の参謀長の解任にまで至っている。それで突撃優先、兵站軽視で決行された同作戦の末路は、多くの日本兵を飢餓と疫病で死に追いやったばかりでなく、日本の敗戦を決定づけるものだった。

 まして、現地を視察した秦彦三郎参謀次長が戦局の悪化と同作戦の中止を示唆したところ、東條英機首相兼陸相はその弱気を責めたという。相次ぐ作戦の失敗と戦局の悪化で、戦争指導の継続と政権維持をインパール作戦の成功に賭けていた。それが作戦中止を遅らせた一因となった。

抜粋して転載終わり