兼題 「新」
変色は、単なる自分の好みだけ
◆3点句:
・非正規が真ん中に立つ新労組 すなふきん
⇒その通り、頼もしい
・新卒に奨学金のヒモがつき 笑い茸
⇒めでたくない門出。借金漬けは技能実習生と同じ。いまや常識の世界に
・新人がいれば教えてやれるのに 奥徒
⇒我が職場に10数年ぶりに新人が入ってきて、張り合いができました。とても実感できる。
現実は、新採用のない春となった
・ジェンダーフリーランドセルにもレインボー なずな
⇒ジェンダー解放が少しずつ進む時代状況の中、ランドセルを選んだ作者の眼力。
ランドルの色に注目、らしさの先入観
◆2点句:
・もの言えば唇寒し新キャスター 笑い茸
⇒スガ政権下で、放送番組がコントロールされているような状況で、キャスターが忖度し
ているのでは?と見えてしまう毎日
・聖火リレーバトン渡さぬ新ルール 駒田紋太
⇒これって、現実?(ではないみたい)
・二年前までは新型喜んだ 斗周
⇒そういえばポジティブな言葉だった。
◆1点句:
・埋めさせまい先祖の怒り新基地に 祐民
⇒辺野古の海を埋めるのに、遺骨の混じった土を使うことになりそうだ。
・新入生まず持たされるタブレット なずな
⇒学校の風景が変わってしまった。
・新卒の夢破りたる国の罪 八金
⇒コロナ禍で、新卒者が政治の影響を大きく受けている。後手後手無策は犯罪とも言える。
・新がつき胡散臭いぞ自由主義 団扇
⇒まともな市民のまともな感覚を素直に詠んだ
・キリン拒否ジョッキが決めた新ルール 白眞弓
⇒ミャンマーへの日本の資本進出の裏をえぐって、鋭く、うまい