なぜ安倍総理に「鯛は頭から腐る」発言? 立憲民主・辻元清美議員が真意を語る
AERA 2020/03/05 08:00
抜粋して転載
問題点が再確認できます
森友問題、加計問題、桜を見る会に関する公文書の隠蔽(いんぺい)、廃棄、改竄(かいざん)は、全て安倍総理、安倍昭恵総理夫人の周辺で起きている。二人の疑惑にまつわるものが捨てられているんです。自殺者まで出してですよ。総理大臣が原因になっていて、官僚が勝手にやってるんじゃないんです。リーダーがおかしなことをやってしまったから、官僚がそれを処理させられている、桜を見る会を巡っては、民間企業のホテルまでもが巻き込まれているんです。
「桜を見る会」は、もうとっくに詰んでいる詰将棋のようなもんですよ。「ホテルとして、見積書や請求書明細を主催者側に発行しないケースがあったか?」「白紙の領収書を出したことは?」「主催者が政治家および、政治家関連の団体であることから対応を変えたことは?」という問いに、ホテルの回答はすべて「ございません」。
これを安倍総理は「一般論だ」と答弁した
さらに安倍総理は唐突に「ホテルは『上様』の領収書を出した可能性がある」としゃべりだした。典型的な「ご飯論法」ですよね。そしたら、一部のメディアが「『上様』領収書が出てきた、総理答弁と一致だ」と報じる始末。いやいや、総理は何度も「白紙」と言い続けたんだから、虚偽答弁でしょう。詰んでいるのに、将棋盤の前で「俺は負けてへん」と駄々をこねていることと同じです。
明細書もなければ、領収書もないというのは、どう考えてもおかしいですよね。
政治家であろうがなかろうが、披露宴でも忘年会でも同じだと思うけど、例えばビール何本とか、料理は立食やったら何人分くらいと、ホテル側と相談するでしょ。そして、ホテル側から明細書が出て、じゃあもうちょっと安うなりませんかとかやりながら、必ず紙で確認するよね。同じですよ、私らも。
森友、加計、桜に携わり、真実を知っている官僚は、口を割られたら困るから、出世するんです。あれだけ文書を改竄、破棄してきた佐川宣寿氏は国税庁長官ですよ。一回も記者会見を開いていない国税庁長官っておかしいでしょ。
また、学校法人森友学園(大阪市)への国有地売却に関する財務省関連文書の改竄などをめぐり「中核的な役割を担っていた」として、一昨年6月、停職1カ月の処分を受けた財務省総務課長(当時)の中村稔氏は今、駐英公使ですよ。
今、問題のコネクティングルーム問題、公費を使った女性官僚との、いわゆる不倫旅行疑惑をかけられている和泉洋人首相補佐官も、加計学園の処理を全部やった人だから、安倍総理としては絶対に切れない。
だから、やっぱりトップ、リーダーが、疑惑まみれになると、官僚も、そしてひいては国民まで巻き込まれていくという危機感で、私はあの言葉を発したわけです。この質問の前に2キロ痩せました。それくらいこっちも、ある意味で腹をくくって、それなりの覚悟で、あの質問席には立っているんです。
(編集部・中原一歩)