米世界支配の手口  ベネズエラで今何が?   3/7 4/7 | 社会の裏を晒すブログ

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チリ

1973年9月11日にはチリでアメリカ政府を後ろ盾とするオーグスト・ピノチェトが、軍事クーデターで民主的に選ばれたサルバドール・アジェンデ政権を倒した。アメリカ政府でクーデターを指揮していたのは大統領補佐官だったヘンリー・キッシンジャー。その命令でCIAの破壊工作部門が動いている。

 まずCIAは選挙に介入した。メディアや映画だけでなく、パンフレット、リーフレット、ポスター、郵便物、壁へのペインティングなどを総動員したのだが、アジェンデが勝利する。

 一方、アメリカ資本と結びついていたチリの支配層は生産活動を妨害、アメリカの巨大金融機関はチリへの融資をストップ、世界銀行も同国への新たな融資を止めた。1972年になるとトラックの運転手がストライキを実施、商店主、工場経営者、銀行なども同調して全国的なロックアウトに発展する。アメリカ自身を含めてCIAは労働組合の幹部をコントロール、自分たちの手先として使ってきた。

 クーデターの結果、アメリカの巨大資本に盾突く勢力は潰滅、新自由主義が導入される。シカゴ大学のミルトン・フリードマン教授のマネタリズムに基づき、大企業/富裕層を優遇する政策を実施したのだ。その政策を実際に実行したのがいわゆるシカゴ・ボーイズ。フリードマン教授やアーノルド・ハーバーガー教授といった経済学者の弟子たちだ。


米世界支配の手口  ベネズエラで今何が?   4/7

ベネズエラ

 現在、ベネズエラの大統領は2018年5月の選挙で選ばれたニコラス・マドゥロだが、アメリカやEUは勝手に大統領を名乗っているフアン・グアイドを支持している。その直前、2月にアメリカの国務長官だったレックス・ティラーソンはベネズエラでのクーデターを示唆、ラテン・アメリカ諸国を歴訪してベネズエラへの経済戦争に協力するように要請している。それでもマドゥロは勝利した。

 ドナルド・トランプ政権はベネズエラに経済戦争を仕掛け、石油の輸出を止めようとしている。イランの石油も買うなと各国を恫喝、猶予期間は過ぎ去ろうとしている。アメリカの命令に従う人びとはどのようにエネルギー資源を確保するつもりなのだろうか?