みずしらず、みずいらず。 | そこはかとなく・・・

そこはかとなく・・・

おもむろに書き始めてなんとなく終わるヒトリゴト。

トンネルを抜けて山を越え、橋を渡って川を越え、
山道の停留所に降り立ち目的の場所までのてがかりを求め電話をかけた。

電話口で話していると、初めて話したその人は振り返った視線の先で大手を振っていた。
一目散に駆け寄って目的地到着。

青梅へ、陶芸作家の友人の展示を観に行ってきた。
倉庫を改良したというそのお店に始まり、近所の素敵なお店を回りたかったが、
バスの本数も希少で距離として徒歩では到底無理と知った。

結果から書けば、友人の奥さんがブログで紹介してくれていた
パン屋さん古本屋さんタイカレー屋さん、あっちそっちこっちすべて
その展示の場に居合わせたみずしらずの人に親切に車で運んでいただけた。
人気のカレー屋さんだからって予約を進められ、その電話もお店の方がしてくれた。
友人は在廊じゃない日だと知っていて逢えないと承知で行ったのに、
運良ければ逢っていけるかもって連絡も取ってくれて。出戻る事に。
いたれりつくせり。

一旦お店を出てパン屋さんに向かうとすごい人だかりでお昼ですでに完売。
いつもなら買えるらしいけど、TVにでも出たのかもね~とさっき出逢った
母様&娘様と話しながらタイカレー屋さんへ。

ワゴン販売の日替わりカレー屋さん。
車を止めて貰い駆け寄ると待ってましたとばかりに笑顔で迎えてくれ、
手際よくカレーをセットして「予約して貰ってよかった」と。
最後の1食、今日も完売御礼だったらしい。
「残りものには福があるんですよ」
とさらに続けてデザートのプリンを1個、2個、3個と積んでくれた。

「今お店に戻ったらそこで1人カレーを食べてる人がいるからその人が気を悪くしないようにね」
そう言われサービスして頂いたプリン2個はせめてものお礼に母さん&娘さんに、
それから戻ったお店で確かにカレーを食べている見知らぬその人に。
とっても感じのいい母様&娘様とお別れをし、買ってきたカレーを食べさせていただいた。
「あがって食べて」と案内されて店の奥にあったテーブルに、跳び箱を椅子にして。

先にカレーを食べていたその方は、レルトランを営んでいてランチを届けに来たという。
これまた初対面でありながら今回展示されている2組の作家さんのつくった器の話や
ジョイフルホンダの話をしつつ、食を共にした。

ご飯食べてお店のオーナーが教えて下さったバスの時間と友人の到着時間、
近所の古本屋さんをどう見て回れるか検討していると、
今度はレストランの女性が帰り駅まで送って下さると言う。

この辺がいくら車がないと不便だからと言っても、なんでそんなにもよってたかって皆さんご親切?
とは言え、お言葉に甘えさせていただく運びとなり、
お陰さまで諦めずに古本屋を覗きに行けた。

きっと、おそらく。要の1冊が見つかって買って帰るんだろう。
行ったこともない古本屋に期待を寄せて半分以上勝手に確信して走って向かった。
お店構えも山小屋の様ですばらしく居心地のいい空間だった。

あんまりマイペースに見てても待たせて悪いから・・・と思いつつくまなく物色。
ひとしきりみて、決定的な本には出逢わなかったもののハンス・ベルメールの写真集が。
それを買うかどうか、いやもっと離したくなくなる本があるんではないか。
もう一度見落としがないかと見て回り、たどり着いた最後の棚。

KATAN DOLLの写真集。

高校時代に欲しいと思ったけど「いつか買おう」と先延ばしにし、
やがて出版社が潰れて手に入らなくなってしまった1冊。
あったとしても価格が高騰しがちでもう諦めて忘れていたくらいだった。
13年かそこら前、学校帰りに見て棚に戻してしまったことを悔やんでた1冊。
棚から取り出してしっかりと抱え込んだ。

定価よりは数百円値が上がり表紙のカバーも擦り傷はあるけど中の状態は良好。
もうこんな価格で買える機会はないんじゃなかと思っていた。

聞けば、その店員さんのお兄さんが好きなんだという。
他にも何冊かあったはず との事で見落としを見せて貰ったけど、他のは持っていた。
それから限定であった写真集は先日高額にも関わらず買われて行かれたと。
何より、欲しかったのはこの本だったから。こんな幸いなことはなかった。
思わず嗚咽しそうになるのをグっと堪えて支払いを済ませ、駆け足でお店へ戻った。
もしかしたら友人が到着した頃かもしれない。

2度目のただいまを言うと、そこには友人の後ろ姿があった。
見つかった本の報告をするともうひとりの作家さんもそのお連れさんも
一緒になって喜んでくれた。

友人にも直接気に入って買った器の報告が出来て、近況もうかがえて、
もうひとりの作家さんに連れて帰る器を報告して。
とっても居心地のいいみずしらずの皆さまと過ごした温かな時間。
こんな幸せ、確かにあるんだなぁと。

帰りも送っていただけたお陰さまで、教室へは15分程度の遅刻で済んだ。
教室後に結婚式のヘアメイク依頼で美容室にもやっと簡単な相談しに寄れて、
持ってたカメラに関しても思いがけず話したりもして、最後の最後、整骨院も間に合って。

トントン拍子で話が転がって初対面の皆々様にかなりご親切にしていただいた。
本当に沢山のひとさまの力に支えられた1日だった。


昨日の今頃、仕事で疲れて今日の前半の予定を削除しようと考えてたけど、
考え直してよかった。こんなにもすばらしい出逢いフィーバーの1日だった。
人にやさしくして貰うと本当に涙が出るね。

結婚もしていなくて相手もいないなら、青梅に引っ越してくればって言われた。
それもいいかもしれないなと素直に思える穏やかな心の有り様よ。
(需要があるなら……………)

色々とサーブをしてくれた店のオーナーさんの旦那さんの地元が
私の地元駅と同じだとかでお寺さんに墓参りに年に2度は来ているのだという。
最初に車を出してくれた母様も昔この土地に暮らしていた時代があったとか。

いろんな縁が、ほんとうにあたたかくておもしろくてたのしい。やさしい。
和尚さんが下さった手紙の言葉を思い出してはまた胸がいっぱいになった。

とってもとっても素敵な1日だった。
今日出逢ったみなさんに心から感謝をしています。



今日、やっと台所が新設された。
友人夫妻の作った器が使える生活がまた始められる。

なんてしあわせ。



あ!Hanako最新号買わねば。友人の作品が載った記念すべき号!!
池袋自体はまず行かないんだけどもなー。