「大江山花伝」ー燃え尽きてこそー

とけてはかなきうす紫の夢の狭間にたゆたいて~

20年以上前、ファンになったばかりの頃にはまった「大江山花伝」
(博多座HPはこちら
ビデオを何度も何度もすり切れるように見ました。
時は経ち、生で主題歌を聞いた瞬間、
ヅカファンになった頃の思いや、当時のわくわくした気持ちや、色んなものがあふれ出してきて
また、まさに「劇画から抜け出したような」茨木童子のゆうひくん(大空祐飛)を見て
涙が出てきそうなほど、感動しちゃいました。
こういう感動を宝塚で味わったのは、久しぶりです。

初演に強い思い入れがある作品は、再演するとどうしても「こうじゃない」と感じる部分があるのだけど
今回に限っては初演をと勝るとも劣らない出来だったと思います。
特に茨木童子のゆうひちゃんに関しては、今までの色んなキャリアが一気に花咲いた感じで、
まず、センターに立っている時のきらきら感にびっくり。
お披露目公演での新トップさんは
センターに立っているのに精一杯な印象を受けるものなのですが、
ゆうひちゃんは堂々。
そしてスターオーラ、きらきら。
こんなにセンターが似合う人だったんだ、とビックリ。
というか、センターに立ってこそ、更に花開くタイプの人だったのね。
何故、この人がトップ路線をばく進出来なかったのかと今更ながらに首を傾げつつ
それでも最終的にトップの座をつかめたのは、彼女の人気があってこそなのだろうと納得。
(宝塚には裏事情が色々あるけどね)

ゆうひくんの独特のアンニョイな雰囲気と両性具有的な独特の色気に、茨木の孤独や複雑な心理状況がうまくあわさり、
また、今のキャリアならではの風格も備わり、鬼と人間の間で悩み苦しむ茨木童子が見事にはまり役になっていました。
初演当時、カリンチョさん(杜けあきさん)が1人でおいしいところを持って行ってしまったような印象を受けたのですが
あれはカリンチョさんのずば抜けた力量あってのことだったのですね。
(しかも、当時まだ研7)
再演を見てみると、茨木がちゃんと主役でした。(当たり前)
ブロンドのカツラに、独特な和物のお衣装もぴったり。
妖しくて美しい、苦悩する鬼そのものでした。

藤子のすみ花ちゃん。
藤子があうだろうなと思っていたけど、やはりその通り。
洋物より、和物化粧のほうがかわいいですね。
茨木との絡みはそんなに多くないのに、
どれだけ藤子が茨木のことを思っているか
茨木が藤子を大切に思っているか
それが痛いほどに伝わってきます。
火傷で見にくくなった自分の身を恥じて、身をあかさない切ない女心。
そして、最後の鬼と人間に関わる独白シーンでは、女優魂炸裂。
もう、涙なしには見られません。

綱のほくしょー(北翔海莉)
彼女も上手い人なんですけど、カリンチョさんの記憶と比べるのは酷というものかしら。
初演よりは印象の薄い綱になった感じがしましたが、
これは綱の印象が薄くなったというよりは、茨木の存在感が増したというほうが正しいのかな。
歌はさすがで聞き応え十分でした。

胡蝶のアリスちゃん(花影アリス)
そうそう、初演で鳩笛真希さんがやった、すごくおいしい役です。
このころの柴田先生は、二番手娘役格に大人のいい女を出してくることが多くて
鳩笛さんはトップのモサクさんより上級生だったこともあって
いかにもいい女を見事に演じてらっしゃいました。
アリスちゃんはゆうひくんより随分下級生だからどうなるのかしら、と思ったけど
なんのなんの、見事な姉さんっぷり。
今回の最大の功労者といっても過言ではないのではないでしょうか。
アリスちゃんは歌もうまいし、かわいいし、このまま路線を外れちゃうのは惜しいなあ。

酒呑童子の大輝いりす。
身長があることもあり、迫力十分。
茨木のゆうひくんよりかなり下級生なのに、それを感じさせない堂々とした立ち居振る舞い。
しっかり鬼の王者&お父さんでした。

『Apasionado(アパショナード)!! II』

月組で上演されたものは、入院中だったので見られなかったのですが。
同行の友人によると
「いかにもあさこちゃんのためのラテンショー」
とのこと。
でも、演出は大ちゃんだし、『JOYFULⅡ』の時のように、ゆうひちゃんにあわせて変えてくるのでは?と思ったら。
結局、ほぼ一緒だったらしい。
ショースターのあさこちゃんのものを、ほぼそのままやるのはちょっと辛いよね。
一部、「ゆうひちゃん、がんばれ!」と思った部分もありましたが。
あさこバージョンを見ていない私には、十分楽しめました。
ショーのゆうひくんもトップオーラ、きらきら。
スターさんを見たなあという気分にさせて貰える。
トップ娘役のいない月組のものだから、お披露目なのにトップコンビの絡みが少なくなってしまうのは仕方ないのかな。
すみ花ちゃんはダンスも歌もそこそこレベルだけど
いかんせん、スタイルにちょっと難あり。
ショーはできるだけスカートふんわりの、体型補正のできる衣装にしてあげてほしいな。
ヴァレンチノのゆうひくんは、これまた孤独な雰囲気がよくお似合いでした。
「ヴァレンチノ」ってカリンチョさん以外では再演されていないよね。
すみ花ちゃんなら出来そうだし、このコンビで見てみたいわ。

というわけで。
元々作品に思い入れが深かったこともあって、
近かったら何度でも通いたい!
と思ってしまうほど、楽しい公演でした。
終演後も高揚感が続くような公演は本当にひさしぶり。
宙組のみなさん、ありがとう。

帰りに博多駅でゆかた姿の宙組の生徒さんを何人か見かけて
これまたちょっと幸せな気分になって帰途についたのでした。
前回の記事を書いてから思い出したことを少し。

「ロシアンブルー」
コメディーと聞いていたのに、始まりはとってもシリアス。
え?ポスターと随分時代が違うぞと思ったけど
この場面がその後の物語に繋がってくるのです。
コスチューム系の恋愛モノって大劇場ではやっていないので
こういうのも見てみたいかなあと思いました。
歌詞で状況が説明されるのですが、座席のせいか音がわれて聞き取れなくて
何がなんだかさっぱり( ̄~ ̄;)ウーン・・・
ここでついていけない人は寝ちゃうぞ、とも思う。
1回きり観劇の人は、少しは前知識があったほうがいいかもしれません。

お芝居の水さんは青のスーツが一番素敵でした。
あの方は、派手でびらびらした衣装ではなく
シンプルな衣装にすればするほど、光る不思議な人です。
トップだから違う衣装になるけれど、水さんの場合は必要ないのではないかと思うこともしばしば。
黒、青、赤とか、くっきりはっきりした色が似合いますよね。
(冬カラーの人じゃないかしらん)

お芝居のみなこちゃんのお衣装。
なんであんなにスカート長いのかなあ?
五峰ねーさんと同じぐらいの丈ではダメだったの?
長すぎてちょっと、いや、かなり、もっさり。
彼女はスタイルいいのだから、むしろ超ミニでも良かったのにね。

お芝居の始まりの歌詞が聞き取れなくて云々と書いたけど
ゆみこちゃんの歌詞ははっきり聴き取れる。
ここまで歌詞をはっきり伝えられる人も少ないよなあと感心。
水さんとゆみこちゃんが掛け合いで歌うところが好きです。

今回、お芝居では色んな生徒さんに役があってよかったけど
蓮城まことくんが大躍進したなあと思った一方で
ひろみちゃんの役の小ささが気になりました。
今の劇団は、ともすると路線の子ばかりを大事に扱いがちだけど
そうじゃない人も大切に扱って欲しい。
でないと、お芝居に深みがでません。
(大野先生は生徒さんの使い方がお上手だけど、役の大きさには劇団の意図が働いてるよね)

娘役はいづるんがやめると、最上級生はゆめみちゃんになってしまうんですね。
彼女は何でもできる素晴らしい人だけど、上が男役ばかりになっちゃうから
美穂さんか五峰ねーさんに戻ってきて貰うわけにはいかないのかしら
と思ってしまいました。

お芝居の終わりは、正直、えっ?それで終わり?
って感じでした。
ラストに持って行くまでの間のツメの甘さもあるし。
でも、これはコメディーだ!と思えば
あまり深く考えずに笑って楽しく終わればそれでいいのかな。

ショーはまた後日。
初日見てきました。
久々のオーソドックスなお芝居・ショーの二本立て。
宝塚はこうでなくては!と思いました。
ちょっとぐらい芝居に首を傾げても(笑)、ショーは理屈抜きに楽しんで
「面白かったね!綺麗だったね!」で帰れる。
それが宝塚の基本だわ。

思えば水さんがトップになってから、オーソドックスな組み合わせはこれでまだ2本目。
「君を愛してる」の情けない役は私には楽しくなかったので、
となると、トップになって初めて、芝居・ショーともに佳作と言えるかも。
(あくまでも私見ですよ、私見。)

『ロシアンブルー』
CSも見ていないし、プログラムも読んでいないしの状態での初見でした。
おかげで最初は何をやっているのか全く分からなくて
これは何度も見なきゃダメだわ、大野先生ってこんなに分かりづらかったっけ?
とか思っていたのですけど、物語が終わる時にはちゃんと全部通じていました。
すべては伏線だったのね、という。
さすが柴田派なだけありますね。
物語の作り方が緻密です。
それに、生徒の使い方が上手い。
(これも柴田先生譲り?)
色んな生徒さんに見せ場を作って下さってるので、やりがいがあるでしょうし、ファンだって見ていて楽しいはず。
ただし、色んな生徒に出番を分けた結果、キムですら出番が少ないという問題はありました。

水さん。
こうきたかー。(笑)
妖しい笑顔だとは、面白いところをついてきましたね。
コメディが苦手な水さんが無理せずに笑いを取れる(そのまんまがおかしい)作りになっていたので、
上手く作ったなあと感心。
今のキャリアならではの余裕綽々な水さんが見れます。
(フィガロの頃は・・・(爆))
相手役が愛原実花に変わってどうなるかに興味津々だったけど
となみちゃんとの時は拮抗した主役二人、
対してみなこちゃんは「相手役」という印象を受けました。
学年差にキャリアの差が大きいのでしょうね。
それぞれに良さがあるけど、全く違う水さんが見られるので、相手役が変わるというのは面白いです。

そのみなこちゃん。
こちらも大野先生がよく考えて役を作ってらっしゃったので(一目惚れの設定だったりしたら無理あるけど、美女の設定ではない)
ヒロインということに首を傾げることもなく見ることができました。
(水さんが嫌がる設定の五峰ねーさんのほうが綺麗だったけどね。)
彼女はお芝居とダンスは出来る人なので、センターに立つことへの納得は出来るかな。
ただ、歌が予想外にひどくてビックリ。
高音が全然出ないし、地声の歌ばかりだし、男役出身だっけ!?と誤解しそう。
共倒れはキツイから、今後できれば歌は控えめで。。。

ゆみこちゃん。
今回も水さん命なのね。(違いますw)
みなこちゃんよりゆみこちゃんとの絡みのほうが多いんだもん。
水ゆみ萌え~、ですわよ。
なんかいっつも水さんのこと好きだよね?(違うってばww)
歌声にはいつもながら癒されました。

キム
出番少ないんだよね。
最初の出番で「あれ、30分ぐらい出番なし!?」と思ったもの。
今回はちょっと辛抱役かな。

チギちゃん。
宙組時代から大躍進。
プログラムにキムちゃんの下はチギちゃんしか載ってなくてビックリ。
テルの抜けた穴をチギちゃんが埋めるという感じですね。
彼女は綺麗だし、今後が楽しみです。

いづるん。
最後だから水さんと絡んで欲しい!と思っていたら
思いがけず絡みがあって嬉しかった。
大野先生、ありがとう。

『RIO DE BRAVO!!(リオ デ ブラボー)」』
サイトーくん、カラマーゾフから絶好調。
こんなウキウキするラテンショーなんて、初めて見たかもです。
これから見られる皆様、ポンポンは必須ですよ。
一緒に客席で楽しんじゃいましょう!
客席降りがあるので、1階席で見なきゃです!

今回、外部の先生が多くて、振付が新鮮です。
特に気に入ったのは、キャリオカの男役だけのダンス。
もー、めっちゃくちゃカッコいいんです。
よだれもの~。

そして、ブラジルに逃げようとする恋人たちの場面。
ここが唯一と言っていいぐらいの、水さんがみなこちゃんと組んでいる場面なのですが
相手役より印象に残る二番手とのやりとり。(え、アタシだけ?(笑))
水ゆみ最高!
カツラは日替わりなのかな。
初日はくるくるパーマで、“んー、びみょお”でございました。
他にも楽しい場面いっぱいだったのだけど、初見では覚えきれないので、また書き足します。
ショーは全般を通して、随分さゆちゃんに気を遣っている作りだなあという印象。
昨今の宝塚で娘役に気を遣うだなんて見たことないので、懐かしかったわ。
なんだか、ミハルちゃんがトップになった時の華陽子の扱いを思いだしました。
娘役で一番かわいいのは、やはりカオリちゃん。
今回はそこそこ歌もあって、ホッとしました。

芝居、ショーとも水ゆみが全面に出ていて、
ヤンミキ時代の花組!?みたいな雰囲気も多少ありました。
水さんがこの路線に行くとは思いもよらなかったけど
思えば二人とも花組出身だから自然な流れかしら。
すっかり、水ゆみに夢中な私です。