以前ダンナさまが住んでいた村へ向かうべく、まだ薄暗いうちにホテルを出ました。
これまで乗っていた高速バスとは違い、一気にローカル色の強い、
二等バスにて村を目指します。
バスターミナルも、すっかり質素な感じになりました^^;


ミナティトゥランから、このバスで2時間ほど。
途中から、面白いほど急に景色が変わっていきます。
普通の街並みから、道が土になっていき、ニワトリがトコトコ道端を歩いていたり、
野良犬(飼い犬なのかも?)が、のんびり歩いていたりして、なんだか懐かしい感じがしました。
それにしても、道が悪くてメチャクチャ揺れる~!!
ですが、私はそんな中でも爆睡していて、ダンナさまに”信じられへん・・・”と言われていました。
私、結構どこでも眠れるタイプなんだな^^;
だいぶ村が近づいてきた辺りで、”せっかくだから、景色を見なさい!”と起こされ、
外を眺めてみたら、これまでの街とは全く別世界。
でも、田舎育ちだからこのくらいでなんだかほっとします。


のどかでとってもいいところです。

市場もとっても素朴な感じ。
日本人がいない村なので、歩いているとじっと見られて、
ちょっと居心地が悪い気もしました(苦笑)。
この辺りを歩いていた時、突然ダンナさまに話しかけてきた女性が。
あまりにテンションが高かったので、びっくりしたのですが、
どうやら知り合いらしい。
ダンナさまがこの村に帰ってきたことを、とっても喜んでくれていました。
この方以外にも、たくさんの方が温かく迎えてくださって、
ダンナさまは本当にここの人たちに愛されていたのだなぁと、
胸がいっぱいになりました。
本当に、道を歩けば知り合いばっかりなんだもん。


ダンナさまがお世話になった方のお宅にお邪魔しました。
人も動物も、基本出入り自由な感じです。
基本、動物たちは放し飼い。この他に、ニワトリも歩き回っていました。
私、ここのニワトリに足を踏まれたんだっけ。
結構力強くてびっくりしたけど、一生に何度もある経験じゃないな。
のんびりした土地に暮らすと、動物たちものんびり育つのでしょうか。
見知らぬ人間が来ても、動じる気配なし。
私は動物が苦手なのですが、ここの子たちはおとなしくて、
私も全く怖くなかったです。
このお宅で、朝ごはんをごちそうになりました。
市場で買ってきた新鮮なお魚と、ダンナさまが市場で買って持ち込んだ貝を、
調理して戴きました。
こちらでは、トルティージャを手作りしています。
ということで、私もトルティージャ作りのお手伝い。
(という名の、結局は足を引っ張った感じでしたが・・・)
粉を手で延ばして、丸く形を作って、石の上で焼く。
お姉さんたちは毎日やっているだけあって、本当に上手。
トルティージャはおろか、料理が全くダメな私は、
”水が多すぎる!””生地にヒビが入らないように延ばして!”と、熱血指導を受けまして^^;
石の上で焼くのも、素手なんですよね。
熱い熱い!と大騒ぎしても、”ほら、ひっくり返して!””まだ早い!”などと、
たくさんダメ出しをされながらも、最後には”だんだん上手になった”と、お褒めの言葉を戴きました。
(半分以上お世辞だろうけど・・・足手まといでゴメンナサイ!)
ここで戴いたお料理が、とってもとってもおいしかったのです。
お魚を丸ごと揚げたものとか、蒸し焼きにした牡蠣とか、
メキシコに来てから初めて、素材の味を生かしたお料理に巡り合った気がする。
そして、大勢でわいわい素手で食べるのがおいしいね♪
食事が終わった後、ダンナさまは以前お世話になった方と飲みたい!ということで、
ひとりで出掛けて行きました。
残された私は、完全アウェイ!さて、どうしよう・・・。
こんなとき、日本人最大の武器である折り紙が本領発揮。
最初、子供たち向けに鶴を折っていたのですが、いつの間にやら大人の皆さんも興味津々。
あっという間に折り紙教室を開催しました。
折り紙をするのは、日本人だけだと思っていたのですが、ここの村の人たちは
みんな手先が器用です。
私が折っているのを見ているだけで、鶴の折り方を覚えてしまった方、
逆に私が箱の折り方を教わったりして、楽しい時間を過ごせました。
でも、”鶴以外のものは折れないの?”と聞かれて、ちょっと参りました^^;
昔、折り紙が得意だったのになぁ。すっかり忘れてしまった自分が悲しい。
それでも、記憶の片隅から絞り出して、いくつか作ってあげて、
かろうじて日本人のメンツを保ったというか。
次に海外へ行くときは、もっと折り紙とあやとりの腕を磨いていきます!
ついでに、ギターももっと弾けるようにしていきます!
結局、海外で力を発揮するのは手仕事だと思う。
みんなで楽しめるし、特別な道具はいらないし。
一通り折り紙が終わってしまっても、ダンナさまは戻ってこない。
そして、私のスペイン語能力では会話もままならない。
ということで、気を利かして水浴びに連れて行ってくれました。
この村は、山が多いせいか水が豊富なようです。
とってもきれいな湧き水が湧いているところへ行きました。
サンダルやタオルを貸してくれたり、着替えを準備してくれたり。
こちらが申し訳なくなるほど、たくさんの気遣いをしてくれました。
お世話されることに慣れていない私は、ついつい遠慮をしてしまうのですが、
こういう親切は素直に受け取ったほうがいいのだろうな、と思います。
もっと世話され上手になりたい!

結局、夕方の4時半過ぎまでお邪魔していました。
ここの人たちは、みんなとっても優しい。
突然やってきた、言葉もさほど出来ない日本人を、あの手この手でおもてなししてくれました。
”今度来るときは、もっとスペイン語を話せるようになってきてね”と、
最後まで温かく見送ってもらったのでした。
こういうところだから、ダンナさまは1年間も、日本人ひとりの環境で暮らせたんだろうな。
もちろん、それは地域に密着した暮らしをしていたからだと、本当に思う。
私の知らなかった、とってもいいものを見たような気がしました。
さて、今日のノルマはこれだけじゃない!
本当は、もっと早くミナティトゥランに帰るはずだったの、私的には!!
パレンケツアーの件で、旅行会社のお姉さんが待っているじゃないの。
それなのに、相変わらず時間通り来ないバスに、私の気持ちは焦るばかり。
もー、何なのさ!!
何とか6時50分くらいに着いたら、旅行会社のお姉さんが待っていました。
話をしたのですが、見つけてくれたツアーがやたら高い。
どうやら個人でやっている人のようで、料金をかなり吹っかけて来たようなんですよね。
で、どうしたか。
ダンナさまが、自力で行くと決めました。
だから、ホテルだけ手配してほしいと言いました。
ですが、もう7時を過ぎていたので、今日も手配が出来ないと言われ・・・。
またまた翌日に持ち越しです・・・はぁ。
もちろん、この旅行会社のお姉さんが悪いわけではないので、
私たちも明日また来ることで了承したのですが。
もー、やっぱり簡単には物事が運ばない!!
この日は何もする気にならず、スーパーのお惣菜で夕食を済ませることにしました。
いろいろ買って、”外食するより安上がりだね~♪”と、喜んだのも束の間。
ホテルに戻って食べてみたら、しょっぱくて食べられたものじゃない。
大好きな赤いメキシコごはん、期待してたのにー!!!
ダンナさまは、メキシコごはんをおかずに、パンを食べていました。
そうでもしないと、しょっぱくてどうしようもなかったのです。
全く、私たちは順調に1日を終えることがないのだろうか。
それもまた、いい思い出なのかも知れないけれど。
そうそう、村に向かう途中に立ち寄ったガソリンスタンドで、
なぜか馬に乗った人がいました。
馬なのに給油?燃料はにんじん?
予期せぬことが起こる国、メキシコ。
だんだんそんなことも気にしなくなっている自分が、ちょっと笑えます^^;
続く。
Ayu