帰り道、駅の前を通ったら、ペデストリアンデッキの上で、
ぼーっと立っている外国人男性がいました。

人通りの結構ある場所だったので、何してるんだろ?と、
不思議に思って近づいていくと、素足で足元には民族調のマット。
もしや・・・と思っていたら、何かを唱える声。
そのうち、マットにひざまずいて、地面におでこが着くぐらい、
深く深くおじぎをしました。

やっぱり!

その人が向いていたのは、西の方角でした。
回教徒の方だったのですね。

これまで、回教徒の方にお会いしたこともありましたし、
モスクにも行ったことがあったけれど、実際モスク以外の場所で、
祈りを捧げる姿を見るのは、初めての経験でした。

不思議なもので、一瞬自分がどこにいるのか、分からなくなってしまいました。

彼が向いていた方向に、遠くメッカがある。
決してここから見えるはずのない場所へ、一生懸命祈りを捧げる姿を見たら、
何だか世界がすごく身近に感じました。

私がどこにいようと、必ずその先には世界が存在する。
そこで生きている人たちが存在する。

何だか、心強い気持ちです。

一生のうち、あといくつその先の世界へ行けるんだろう?
まだ見ぬ世界へ、気持ちがつながった気がしました。


Ayu