今日は、家でダラダラのんびりしています。
天気は薄曇り。寒くはないですが、あんまり外に出たい気分じゃなくて^^;

朝ものんびり起きて、すぐに読書スタート!
昨日買って来たのは、中山可穂さんの”サイゴン・タンゴ・カフェ”です。

私は、地名の入った作品が大好き。
自分が旅好きのせいもあると思うのですが、タイトルに地名を発見すると、
どうしても読んでみたくなります。
(あ、でも不思議とヨーロッパはそうでもないか・・・)

それが、アジアだと尚更のこと。

自分がこれまで見てきた風景が、小説の中に登場すると、
何とも懐かしい気持ちになります。
一瞬にして、アジアの熱い空気が自分の中に蘇ってくるのです。
だから、アジアを舞台にした小説はついつい買ってしまいます。

中山可穂さんの本は、過去1冊しか読んだことがないのですが、
とても面白かったので、この作品も読んでみようと思ったのです。

実はこれまで、文庫になるのを待っていました。
本当は、出版されてすぐにでも読みたかったのですが、本を出先で読むことが多いので、
ハードカバーの本は出来れば避けたくて・・・。
特にこの本は、直感で”旅先で読みたい!”と感じていたので、ずっと待っていました。

しかし、なかなか文庫版として出版される気配がなかったので、
遂にハードカバーに手を出したのです。

予想通り、とても読み応えのある本でした。

もしかすると好き嫌いが分かれてしまうかも知れません。
でも、私は可穂さんの独特な世界が大好きですし、情景がはっきりと浮かんでくるような、
言葉の使い方が上手な方だと感じるのです。

気がつけば、ごはんを食べるのも忘れて読みふけってしまい、
あっという間に2時を過ぎていました。
もちろん、1冊読破してしまったのですが。

ちょっと重い内容を書いている本なので、読んだ後はとても疲れました。
そうは言いつつも、それが心地いいと感じている自分がいました。

可穂さんが書いているのは、私が全く知らない世界です。
恋愛小説だけれど、私には分からない世界です。
でも不思議なことに、人を想う気持ちは物凄く良く分かる。
恋愛感情に、性別は関係ないのだと、ふと思ってしまう自分がいます。

そういえば、可穂さん自身も同性愛者だと聞きました。

それを公言することで、生きづらいことも多すぎると思います。
でも、可穂さんは小説と言う形で、その世界を表現しています。
最初は、私も多少なり偏見を持ってしまっていました。

でも、泣けるんです。感動するんです。

人を愛すると言うことは、とても尊いこと。
恋愛のカタチは人それぞれだけど、自分の気持ちを貫くことは、本当に大変なこと。
それを、一生懸命にやっているのが見えるから、感動するのかも知れないです。

いい本に出逢えました。
多分、文庫化されたらそっちも買ってしまうと思います。



Ayu

*サイゴン・タンゴ・カフェ*
中山可穂 角川書店
ISBN978-4-04-873833-0