いろいろと印象深い出来事がありましたが、今回はちょっと重いかなぁ・・・。
あれは、数年前の秋のことです。
私が他のお客様とお話をしていたとき、突然横からすごい勢いで話しかけてくる
女性がいました。
あまりにも焦っている様子なので、こちらも圧倒されそうになりましたが、
次に伺うことを伝え、待って戴きました。
お客様の対応が終わり、次にその方をお呼びしたとき、彼女は少し冷静さを取り戻し、
”ごめんなさいね、気が急いてしまって・・・”と言いました。
なぜそんなに焦っていたのか、ゆっくりお話を伺うと、どうやら
その後の行程のチケットを全てなくしてしまった様子です。
正直、面倒なお客さんに当たってしまったな・・・と思いました。
私一人では判断が出来ず、私の上司を含め、どうしたらいいか考えた結果、
いろいろな手段を使って、このまま旅行を続けてもらおうという事になりました。
ただし、それにはお客様がこれから行くであろう箇所に、連絡を入れておかないと
いけないので、手続きに時間が掛かる事を話して、また後で来てもらうことに
しました。
予想通り、かなり面倒なことになってしまいましたが、何とか連絡も済み、
後はお客様にご説明するだけ。すると間もなく、お客様がいらっしゃいました。
軽くパニック状態を起こし、余裕がなくなっていた私は、淡々とご説明をすることに
徹しました。かなり冷たい対応だったと思います。
全て説明が終わったとき、お客様は私が予想もしなかったことをおっしゃいました。
”実は、これが最後の旅行なの。ガンで、もう手術も出来ないの”
それなのに、こんなことになってしまって申し訳ないと、私に謝るのです。
私は、あまりに重い出来事に何も言えず、その代わりに涙が出ました・・・。
お客様の前で、感情的になってしまうには、決していいことだと思えません。
でも、涙が止まらなかった・・・。
それを見たお客様は、
”まさか泣いてくれるなんて思わなかったから・・・”と言いつつ、
小さなカードをくれました。
そこには、
”神は理由のない試練を与えることはない。試練と一緒に、それを越えるだけの
力を与えてくれる”
と、書いてありました。
その方はクリスチャンで、いつもそんなことを励みにして、生きているんだと・・・。
私は宗教家ではないですが、何かに支えられることで頑張れる彼女の気持ちが、
ほんの少しですが分かる気がしました。
今、その方はどうしているのか、全く分かりません。
でも、人の生涯の想い出作りに関われたことを、
私はこれからも忘れることはないでしょう。
貴重な経験をさせてくれた仕事でした。
Ayu
あれは、数年前の秋のことです。
私が他のお客様とお話をしていたとき、突然横からすごい勢いで話しかけてくる
女性がいました。
あまりにも焦っている様子なので、こちらも圧倒されそうになりましたが、
次に伺うことを伝え、待って戴きました。
お客様の対応が終わり、次にその方をお呼びしたとき、彼女は少し冷静さを取り戻し、
”ごめんなさいね、気が急いてしまって・・・”と言いました。
なぜそんなに焦っていたのか、ゆっくりお話を伺うと、どうやら
その後の行程のチケットを全てなくしてしまった様子です。
正直、面倒なお客さんに当たってしまったな・・・と思いました。
私一人では判断が出来ず、私の上司を含め、どうしたらいいか考えた結果、
いろいろな手段を使って、このまま旅行を続けてもらおうという事になりました。
ただし、それにはお客様がこれから行くであろう箇所に、連絡を入れておかないと
いけないので、手続きに時間が掛かる事を話して、また後で来てもらうことに
しました。
予想通り、かなり面倒なことになってしまいましたが、何とか連絡も済み、
後はお客様にご説明するだけ。すると間もなく、お客様がいらっしゃいました。
軽くパニック状態を起こし、余裕がなくなっていた私は、淡々とご説明をすることに
徹しました。かなり冷たい対応だったと思います。
全て説明が終わったとき、お客様は私が予想もしなかったことをおっしゃいました。
”実は、これが最後の旅行なの。ガンで、もう手術も出来ないの”
それなのに、こんなことになってしまって申し訳ないと、私に謝るのです。
私は、あまりに重い出来事に何も言えず、その代わりに涙が出ました・・・。
お客様の前で、感情的になってしまうには、決していいことだと思えません。
でも、涙が止まらなかった・・・。
それを見たお客様は、
”まさか泣いてくれるなんて思わなかったから・・・”と言いつつ、
小さなカードをくれました。
そこには、
”神は理由のない試練を与えることはない。試練と一緒に、それを越えるだけの
力を与えてくれる”
と、書いてありました。
その方はクリスチャンで、いつもそんなことを励みにして、生きているんだと・・・。
私は宗教家ではないですが、何かに支えられることで頑張れる彼女の気持ちが、
ほんの少しですが分かる気がしました。
今、その方はどうしているのか、全く分かりません。
でも、人の生涯の想い出作りに関われたことを、
私はこれからも忘れることはないでしょう。
貴重な経験をさせてくれた仕事でした。
Ayu