ホーチミン滞在最終日、その日の深夜便で帰国の私と友達は、帰ってしまうのがもったいなくて、
夕暮れのホーチミンを歩いていました。
夕方でもかなり蒸し暑く、少し疲れたので某ホテルのカフェで休憩をすることにしました。
窓際の席に案内された私たちは、気候も、風景も、人も何もかも違うベトナムでの楽しい日々と、また日本の普通の毎日に帰ってしまう現実を考えながら、だんだん暗くなっていく街並みを眺めていました。
そのとき、ふとあるおじいさんの姿が目に入ったのです。
その人は盲目らしく、杖をついていました。
ホーチミンにいらしたことのある方はお分かりかと思いますが、街中の車やバイクの交通量が物凄く多くて、また、決してマナーがいいとは思えません。信号は守らない、横断中でもバイクが突っ込んでくる、
そんなことは当たり前で、私たちも本当に苦労しました。
そんな中、そのおじいさんは道を渡りたかったらしく、そんな車やバイクの群れの中に、よちよち入って行ったのです。
どうなるのかと、心配しながら見ていましたが、近くにいた男性が声を掛けて、道を渡るのを手伝ってあげていました。途中まで渡った所で、今度は別な男性が声を掛けて、おじいさんは無事リレー方式で目的地まで行けたようでした。
ホーチミンは大きな都会の街です。治安も決して良いとは言えず、どちらかと言えば物騒かも知れません。でも、人との繋がりを大切にする、アジアの街なのだと思いました。
私は、そんな風にさりげない親切を人に行うことが出来るだろうか・・・?
最後にベトナムは、都会の意外な一面を私に見せてくれたような気がします。
写真は、そんなホーチミンの夕暮れです。淡いピンク色の空が、本当にきれいでした。
旅に出ると、こういう何気ない風景から、いろいろ気づかされることも多いです。
気持ちがあったかくなるような思い出を作るため、また私は旅に出てしまうのです。
Ayu