子どもを引き合いに出されると、何も言えません。

4年生になった彼の息子は特にパパっ子で、寝る時は抱っこで寝室へ行き、ダブルの布団でいつもべったりくっついて2人で寝ていたそうです。

そんな息子に、離婚の事実を告げ、パパはもうこの家には帰らないと言ってしまえば、精神的に大きなダメージを受けて、学校にすら行けなくなるんじゃないか…と、本当の事を言わない判断をしたそうです。

彼は、それどころか、元奥さんに、自分が再婚し新しい家族を迎えた事も隠していました。

埋まらない溝を理由に、奥さんからの申し出で離婚した彼らでしたが、
離婚を機に、わだかまりが消え、いい距離感で、
"子ども達の為"
を建前に、とてもいい関係を築いていました。

となれば、私はどんどん影に追いやられていきます。

戸籍上の妻は私、
だけど、事実上の妻は元奥さんのまま。
正妻は彼女。
彼の家族は向こう。
彼らが、彼氏彼女、夫婦、家族として過ごしてきた年月に、私が叶う訳がない。
元奥さんは彼より歳下で、少し世間知らずな所が、頼りなく甘え上手に見えました。

その上、私は、彼に、元旦那との子ども達という荷物も背負わせている。
17歳と19歳の子ども達と一緒に暮らすのは、相当な気疲れだったでしょう。
新社会人の息子が入れてくれる少しの生活費と、私が元旦那から貰っている2人分の養育費はありましたが、生活費はほぼ全て彼が負担してくれていました。

キツかったと思います。

その負い目が、更に、私を卑屈にさせます。

ここにいても、彼は癒されない。
私は彼の負担でしかない。
結局、私は妻にも家族にもなれない。

気を遣わせないように…
負担をかけないように…
頼ってはダメ…
甘えてはダメ…
できる限り完璧に…
彼の為に…
彼を立て…
彼中心に…

必死でした。

そんな時でした。
彼の子どもが所属しているスポ少で、彼の元奥さんを非難する様なトラブルが起きました。

そもそも、元奥さんはあまり表に出たがらない人だったようで、
彼は現役でサッカーをしている事もあり、
彼がお手伝いコーチのようなポジションで毎回の練習や試合にも参加していました。

保護者同士の揉め事です。

子ども達にはとても慕われていて、
サッカーもできる、
保護者役員も自ら買って出てうまくこなし、
自宅に遊びに来た子どもの友達には、ご飯を作って食べさせたり、プールや公園に遊びに連れて行ってくれる…

そんな彼への嫉妬心が元奥さんに向いたのかも知れません。


"子ども達の為"
彼はやっぱりそう言って、元奥さんに代わって矢面に立ち、責められ、罵声を浴びせられ、理不尽な謝罪にも応え、彼女を完璧に守りきりました。

入れ替わり立ち替わりかかってくる電話
疲弊しきった様子

そんな状況に、私はつい、

家に帰ったら?
そうすれば、元奥さんの側にもいてあげられるし、話が早い。
私じゃあなたを癒せない。

そう言って、背中を向けて、突き放してしまいました。