風刺画デモ参加のために

フランス大使館に向かう

チャーターバスに乗り込む夫に

託したのは、

ウィグル族迫害をやめさせるための

ネット署名のプリントだった。


イスラム教徒のウィグル族が

中国により迫害されていることを伝えた。


快く引き受けたはずの署名は

10人にも満たなかった。


パキスタンと中国の仲を悪くさせようと

してるんじゃないの?

誰かに言われたのだろう。

きっと。

そんな言葉初めて聞いたから。


日頃から中国人と韓国人の悪事については

私と語り合っていたから。



先日、アメリカ人が夫に聞いた。


イスラム教徒のウィグル族が

中国に迫害され、

殺されたりしているけれど、

どう思う?



アメリカやイスラエルや風刺画に

狂ったように目を剥く夫の

歯切れは悪かった。


パキスタンと中国は昔からの友人なんだ。

(は?だから?何も言えない?)



夫は政治的判断をする立場にないのに。

パキスタン政府の悪口も言っているのに。





暖かい日差しの中、

道路脇の背の低い黄色い花の咲く枝に

黒いアクセサリー。

誰かが拾って、

踏まれないように、

みつけやすいように、

置いたのだろう。


その誰かの優しさに和んだのは、

通りすがりの私。