母の酸素マスク姿を見てから、

携帯電話が鳴るのが怖くてたまらなかった。

 

今日のような晴れ渡る空も怖いんだ。

父が闘病の末亡くなったのはこんな澄み渡る青空だった。

あの時、病院に行くときに思った。

どうせ逝ってしまうのなら、こんな青空の日にって。

 

同居していた母を心から介護していなかった私は、

今、苦しい。

邪険にもしたし、視界に入れない時もあった。

大きな喧嘩はしなかったけれど、

聞こえないふりをしたことがあった。

だから今、苦しい。

 

酸素マスクが外れたよ

弟からの連絡に、

一旦張りつめていた心を解放しておこう。