悪い奴ほど、のさばるものだ。
悪い奴ほど、結局は強いのだ。
 
口から泡をとばしながら、いかに日本に住もうかと画策する
女王夫婦が連日、画面に映っている。
その必死さは、夫に向けられているもので、
離れたところで、冷やかに聞かないふりをしている私の存在を、
彼らは忘れて・・・話はとどまらない。

観光でも、商用でも、ごく短期の滞在でもかまわないそうだ。
さまざまなパターンを考えているよう。
そして結局は偽装難民申請コースになるのだろう。

こういう光景がたくさんの国際結婚家庭では見られているのでないだろうか。


どこで食い止めてやろう。
夫の周りだけで起こるいくつかの招へい失敗。
私が疑われるのは、時間の問題かもしれない。
けれど、志は悪で、脛に傷持つ彼らだから、
どこかでその不幸を納得してくれるかもしれない。

あの日、回転寿司で、女王様への不満を話したのだった。
同調する夫に、私はそれを抑えきれなかった。
数々のエピソードにあきれ、笑った。
世界で一番嫌いな人間なのだから、過少に語ったとしても、
それはひどい人物像だったのはしょうがないと思う。

それでも、妹だから、しょうがない・・・と口にした夫。
彼女とだけは、仲よくできない・・・と私は言葉を止めた。


その夜の長時間の来日画策スカイプ。
乗り気でない夫は、最後に言った。
俺に任せておけ!俺が必ず日本に呼んでやる!


私はそのちっぽけな脳みそを蹴り飛ばしたくなった。