玄関には夫が怒りに任せて投げつけた、

壊された扇風機が置いてある。


彼はそれを見て、自分の行動を反省したことがあるのだろうか?





おとといは風邪のため、

市販薬を服用し、早めに布団に入っていた。


寝ている私の布団をまくりあげ、

彼は私の身体を求めてきた。


寒いということも、

具合が悪いということも、

嫌がっていることも、

彼は知っているのに。


上半身をすっぽり布団でおおわれて、

彼は淡々とことをすすめる。



暗闇の中、布団の中、

私は、死ね!死ね!と醜く顔をゆがめ、心の中で吐き捨てる。

私の心はもっともっと頑なになっていく。




こんなことで心は動かないってことを彼は知らないのだろうか。


知らなければ、済まされるのだろうか。


威圧と恫喝と暴力と宗教で動かない心と世界があるということを。






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