夜11時過ぎの電話は珍しいことではない。
相手はお兄さん。
妹の夫のビザの申請がうまくいかないんだって。
ふ~ん、やっぱりね。
だって、私が入管に言ったんだもん。
なに?なに?
電話の声が流れてくる。
スリランカのクリケットチームを襲うからだよ。
インドでテロなんかするからだよ。
被害にあわれた方たちのことなんて、関係ナイ。
外国に行きたいパキスタン人にとって、
パキスタンが野蛮な国だとおもわれることを危惧してる。
妹の夫に関する偽造の書類の発覚に、恐れなんてないらしい。
もちろん、罪悪感も、ネ。
そして、行き着く。
俺たちが悪いことをしたわけでもないのに、
テロリストと同じように白い目で見る日本政府に対して、
運の悪さを嘆きながら、
日本は馬鹿野郎だと、荒れるんだ。