完敗である。

しかも連敗。


負け惜しみでもなんでもいい。

入管はザルだった。


どうして、だまされてしまうかね?

クロの弟が手にしたのはシロだった。



もともと入管に期待なんてしていなかったし・・とうそぶいて、

心の重荷をごまかすようになったのはつい最近からだった。



行政書士がからんでいるからね、、、な~んて遠慮があったんだ。


電話口の彼女の物腰は上品でいて、あたたかい。

夫と結託している彼女には私の妨害を疑われたくはなかったもんだから。

行政書士という立場の彼女に迷惑をかけたくなかったから、なんて。

なんて、あたしってバカなんだろう。



ビザのためなら

彼女はいくつもの策を講じてくれるのだった。

何も知らない夫は私に教えてくれる。



日本人と結婚させちゃえば良いじゃない。


社長にして会社を作ってしまえばいいのよ。


経歴は10年あればいいのよ。


会社に出資させて取締役にしてしまいなさい。




偽造の経歴書を本当かどうかも分からない生年月日から計算したり、


卒業してもいない学校の卒業証明書を作ったり、


偽造の運転免許も作り始めた。




中学もろくに行っていない無職の男を社長にするなんて。

ぐうたらののバカ弟を社長にするなんて。



やつらが必要書類を偽造する国民だってことを知らないなんて、

言わせない。


あんたが”必要だ”といった書類を

のぞみのままに偽造できるのがパキスタンなの。

そう、あんたは一言も偽造しろとは言っていない。




ねえ、本当のものなんてあるのかしら。


数枚の一万円札のために、私はむなしくなるんだよ。





法を破るのがパキスタン人なら、

法ぎりぎりを金に変えるのが行政書士だね。





だから、許さない。