主婦である私が外出するためにはしなければならない儀式がある。



はじめからあったのではなく、

生活をしているうちに出来上がったのが、それ。



システム手帳も電話もメールも、何の役にも立ちはしない。




顔色をみながら、お伺いを立てる時期を模索する。


はじめからOKをもらえたことなど一度もない。


だから、必然的に何度もトライしなければならない。

強制されたコミュニケーション。



OKをもらえたからといって、無条件には喜べない。


夫への貸しを帳消しにするか、

借りを作るか、

提示された条件を飲まなければならないのだから。




『夫に聞いてみないと・・・』

日本人の友人たちは、へんてこりんだと思っていることだろう。

いい年をして、自分の予定するら即答することができないなんて。





チャンネルを変える途中、

昼間の再放送のドラマの一場面が偶然目に入った。


親友の悪口を言うモラハラ夫に、

彼女はおびえ震えながらぶっつけた。

”あたしの友達の悪口を言わないで!あなたは私じゃないんだよ!”

そんな内容の台詞だった。



当たり前のことなのだろうに

意を決して振り絞らなければ、声に出すことができないなんて・・・


それでいて、


その言葉に答えをみつけたかのように、

”その通りだよ”と感銘を受けたのが、 そう、 あたし だった。






だから、夜遅く帰宅した夫に正々堂々お願いした。


もちろん答えは"ダメ!”だった。


ああ、めんどくさい。