イードそれが、彼のすべてだと私は断言できる。 だから・・・ 明日、学校を休ませると夫は言った。 なんで? と聞いた途端に、 彼の鋭い視線に言葉が乗った。 "俺のやることにいちいち「なんで?」と聞くんじゃない!” すべてが、こうなんだよ。 これが彼のすべてなんだよ。 今日で最後のイフタール。 ドゥアーの時の両の手に、私の願いはこぼれない。 正面の夫から、身体ごと傾けて、私の視線は床の上の活字を読むとはなしに、 ただ、ただ、追っただけだった。