へたくそな文字の航空便は、
仲たがいをした親戚からのものだった。
その長い手紙の内容に私から触れたりしなかったのは、
おおよその中身なんてわかりきっていたから、ね。
お金に関することだから、
私の態度もきつくなる。
でも本当に言いたいことを飲み込んで、
ついでに”送らないでよ”とも言えなくって、ね。
無言の下で私の心はささくれ立つ。
親戚一同巻き込んだ喧嘩の時には、
彼らは大バカ野郎の家族だったはずだったよね?
今は涙を流すほど彼らの窮状を心配しているんだ、ふーん。
”たかが10万ルピーがなんなんだ!彼らの家族の生活費をずっと面倒みてあげたっていいぐらいだ!”
だから、気がつかれないようにしないとね、
いつもの成り行きに、あきれた私の口角は両端があがってる。
彼のどんな言葉も私の心を融かさない。
その冷たさはまるで氷のようだけれど、
融ける素質なんてまったく持ち合わせていないから、
やっぱり石、ね。