母は目を細めて車外に立つ二人の息子を自慢した。
私の王子様たちよ。
濃密な空気が、息苦しかった。
あなたたちは私の息子を大事にしていない・・・とも言った。
隣同士の私と兄嫁は目をあわせずに、
それぞれに彼女の言葉をそっと流した。
成長した息子たちを、娘たちをうれしく思う日がくるのだろうな。
大きくなったな・・・と遠い日を思い出しながら目を細めることもあるのだろうな。
王子様だななんて、思いもしないのだろうけれど、
声には出さずに、にんまりとほくそ笑むのだろうな。
日本に住む私は、男の子だからこそ、皿洗いをさせている。