本当はココアが飲みたかったのに、

鍋の中には今朝のミルクティーがあったから、

わたしはそれを温めました。




”私はいやだと言えるかわからない・・・”


娘が友人にもらした言葉でした。


父親にいとことの結婚を勧められたら、


彼女はいやでも断れないかもしれないと、


私にではなく、友人に語ったその言葉は、


意外ではなかった


・・・けれど・・・


それでも、やっぱり、今でも 痛い。



私と娘は仲がよく、

それでいながら、

肝心のことが話せないという

2人の関係の希薄さに今さらながら後悔をしています。



そんな私の性格を半分引き継いで、

夫の明るさを引き継いだ彼女には、

強くて、子供や家族への愛を涙を流してまでも、

表現できる父親の愛は絶大なのでしょう。


私にもそういう夫は魅力的でした。



夫がいないところでも、

私が子供に父親の悪口を言わずに育ててきたのは、

父親に対する尊敬を失ってほしくなかったからであるし、


パキスタンの家族の悪口を、

決定的なことまでは、話さないのは、

将来、もしあの国に住むことになった時に、

それを苦痛に感じてほしくなかったから。



毎晩、夕飯を食べにくるようになった義理の弟を、

私はうとましく思うけれど、

”もう来ないで!”とは、正面きって、言えないから、

自分の子供たちに、関係のないことで、あたり散らしている私です。



まるで義母のよう・・・・


初めてパキスタンを訪れた時、

義母は夕方になると、ヒステリーを起こしていました。

彼女の怒鳴り声は妹たちに向けられたもので、

私にではなかったけれど・・・

わかっていました。

義母は、この結婚を望んでいなかったことへの不満をぶつけていたのだということくらい。


病気で死にそうだったにわとりを絞めて、

チキンカレーにした時に、その内臓を私に食べさせたり、

赤カビと青カビの生えたギーの、

それらをスプーンですくいとって、温めたギーは、

それでもかび臭くって・・・

それを私のダールにたっぷり入れて食べさせられたこともあったしね。

”アンティ、それは無理だよ、食べられないよ”と

注意してくれたのは、夫と結婚するはずだった夫のいとこのSでした。




私の愛が負けているわけではないはずなのに、

それをあらわす術を知らない私は、

子供に隠れて涙することならできるのに。




私の思いは、

私の心から出て行かない。



いつの日か、夫との間に、勃発するであろう、長女の婚約問題。


それを機に、爆発するであろう私。



私のもとに、子供はついて来てくれるのでしょうか。




大事な場面では、

いやなことをいやだといえる勇気のある人間であってほしいという思いが、

今さらながら胸に込み上げてきています。


だから、これはわたしの問題です。





土曜日の夜、義理の弟は誰にも断らずに、家に泊まっていたのでした。


その図々しさが、うとましい。