あたたかくつよい風に吹かれながら、
ナナちゃんに会いに行った。
前日の昼にはいなかったのに、
その日の夕方にはカレが、あの人気のないプレハブに帰っていたの。
カレの首輪につながれた紐が、短すぎてかわいそう。
3歩も・・・歩けないだろうな。
山盛りに盛られプレハブの下に無造作に置かれたドッグフード。
あの日はおいしそうにシーチキンを食べ尽くしたカレだったけれど。
ドッグフードは山盛りのまま。
ナナちゃんを連れ帰ろうとした私が持ってきた魚を
カレは警戒しながら食べていた。
何日間も近所を徘徊していたカレを探そうとしなかった飼い主。
あるいはカレがいなくなったことも知らなかった飼い主。
そして、そんな飼い主のもとに帰っていったカレ。
私には吼えても、怯えても、シッポもふらないカレだった。
カレが無事だったのはうれしいけれど、
神さまに感謝すべきことことだけど・・・
自分勝手な私の気持ちは、
カレに再会をしてからは、すぐれなかった。
昨日帰宅して、
少ししてから知ったパキスタンの地震のニュースは、
大事なことを忘れてしまう私に対する警告のようでした。
断食中に食べ物のありがたみを知りながら、
いつの間にかそれを忘れてしまう私は、
ナナちゃんの無事のみを祈っていたはずなのに、
自分のものにならなかったナナちゃんを不満に思っていたことに、
気がつくことが出来たから。
パキスタンの大地震。
被害が拡大していて驚いています。
どなたかが、あるいは親戚の方々が被災されているかもしれません。
この場をお借りして、
不幸にも亡くなられてしまった方々のご冥福をお祈り申し上げます。
困窮されている方々の苦しみが、早急になくなりますように。
怪我をされた方々の回復が順調でありますように。
心の傷が癒されますように。