むかし、むかしといっても、

末っ子が生まれたか生まれていないかのころのこと。

入園料を払って入る公園。

帰り際のローラー滑り台の脇に、

黒いハンドバッグが落ちていた。

届に行くから・・・・

子供を置いて、

私はひとりトイレにむかった。

個室に入り、バッグを開けた。

財布を開けた。

一万数千円が入っていた。

小袋に入ったお菓子類も入ってた。

お孫さんと遊びにきたおばあちゃんのバッグかもしれない。

漠然と思った。


どうしよう・・・


今朝、夫は打ち明けた。

銀行から下ろしたばかりの袋に入ったままの数万円を落としたことを。


だから、一万円が欲しかった。


なかなかトイレから出られなかった。



長い時間だったのか、

短い時間だったのか、

私の迷いの時間はとても長く感じられた。




その日の夜。

父から電話が入った。

母が大変なことになっていた。

息苦しい母を病院に連れて行ったら、

そのまま入院になってしまったと。

母の不注意でひどい貧血になっていて、

心臓が肥大をしていたと。

死ぬことだってあるほどのひどい貧血だったって。




だから、勝手に思ってる。


あの時に私がお金を盗んでいたら、母は死んでしまったんじゃないかって。



そんなことは関係ないのかもしれないけれど、

それでも、勝手に思ってる。





皆さまに大変ご心配をおかけした夫の病気の再発は見当たらなかった。


数ヵ月後の検査の予約を取って、帰ってこられた。


皆さま、ありがとうございました。



8月1日、夫は末の2人の娘を連れて、パキスタンに向かいます。


もちろん、夫の帰国も、娘たちのこともあちらの家族には知らせていない。


夫は楽しそうに話してる。

彼の思惑を。

自分は隠れて、娘2人に呼び鈴を押さそうと。


義家族の喜び驚く顔を思い浮かべて、私もうれしい気持ちになれる。


子ども2人分の切符代。

イタイ出費だけれど、それ以上の価値があるような気持ちもあったりする。


こういう気持ちいなれたのも、もちろん皆さまのおかげです。



サクラサクさま。

私はあなたの足元にも及ばない人間です。

あなたの強さはとても美しい。

だから、きっと報われる。インシャッラー。



今日は花火を見に行きます。

もちろん、夫抜きでね(笑)。

大好きなお友達たちにも会えます。


明日、あさってのアイシャはいそがしくなるのだろうな。

今日はたっくさんの元気をもらって帰ってこようっと!