ここ数日私がおそわれていたもやもやを解消したのは、
子猫ちゃんだった。
彼女は国道へ続く交差点の近くで、顔を轢かれていた。
歩道に近いところの道路上で、
夕方の明るい時間帯だから、
後続の車に轢かれることは免れていたけれど、
死んでいたようだった。
選挙がなければ、この道を通ることなく、私は帰宅をするはずだった。
前方を重い台車を押しながら、苦しそうに歩くおばあちゃんを見かけた時、
その台車の上にはたくさんのお花たち・・・ああ・・・きっと彼女がこの辺りの道路の植え込みに、お花を植えているおばあちゃんなのだろう・・・
国道の交差点でおばあちゃんをママチャリで追い越して、彼女が渡りきるのを待って、声をかけた。
押しましょうか・・・
丁寧に断るおばあちゃん・・・すぐですから、大丈夫です・・・
だからといっておばあちゃんをママチャリで追い越すのにはなんだか気が引けて、
末っ子と一緒に、その横断歩道を渡ったときに、その子猫ちゃんを見つけたのだった。
交差点で信号待ちをしている赤い車のご家族が、
哀れみの目で子猫ちゃんを見ていたときだった。
顔がつぶれている・・・
内臓は飛び出ていない・・・
私が1人きりで、周りに誰もいなかったなら・・・私は彼女を抱き上げたのだろうか・・・
瞬間、あたりに適当な大きさの板切れや棒切れを探した。
見つからない。
食パンの入っていたスーパーの袋を両手にかぶせて、私は彼女を抱き上げたのだった。
ビニールを通して伝わるまだあたたかい体温。
わずかながらも滴った彼女の血。
彼女を国道沿いの茂みの上に横たえた。
彼女にまだ息があったのか、あるいはもうすでに死んでいたのか、
そんなことよりも、
彼女の身体がこれ以上、車によって轢かれて欲しくなかったから、
ただ、土の上で眠らせてあげたかった。
それだけだった。
そのすぐあとで知り合いの方からいただいたチョコレートをほおばる末っ子はたくましく思えた。
末っ子も子猫ちゃんの姿を見ていたのに、食欲があるのが不思議だった。
ソースを1.8リットル容器で買い、
パン粉はなんと1キロの大袋で、
前回はジャガイモをつぶす前にかかってきた電話で、長話をしてしまい、水分を逃がしきれないでびちゃびちゃしたコロッケを作ってしまったので、
そのリベンジコロッケを作ることに燃えている私もたくましい。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
個人メールをくださった方、お電話をくれた方、コメントで励ましてくれた方、
どうもありがとうございました。
おかげさまで元気になれました。
もう大丈夫です。
アイシャ