あの国で、何が一番辛かったかったか・・・ですって?

 

 

 

それは外に出られないこと。

 

 

 

いやなことがあっても、

 

プイと外へ出ることができないこと。

 

 

 

台所にいてお砂糖がなかったとするでしょ。

 

普通買いに行くじゃない?

 

エプロンしたまま、サンダルはいて・・・・

 

それができないことが辛かった。

 

 

どうしても”今”必要なのに、

 

男の人にお願いしなければならないのが馬鹿らしかった。

 

 

お義父さんやお義兄さんにパシリをさせるわけにはいかないでしょ?

 

だから、お願いするのは、目下の男・・・・・義弟か同居している夫の従弟

 

私の息子たちはまだ頼りない。

 

 

 

それでね、

 

お願いするのがまた大変。

 

必要なものをね 頼むとね

 

まず、断るの。

 

それをなだめなければならないの。

 

機嫌をとるために時間を費やしたらね、

 

シャワーしちゃうわけ

 

こんな格好で外に出るのは彼のプライドが許さない・・・らしい・・・

 

出てきたらね、

 

アイロンかけちゃうのよ、

 

あの生地が大量に使ってある民族衣装を延々と鼻歌歌って

 

だから、こっちのイライラは最高潮。

 

 

 

 

でも私が行くことは許されないの。

 

女だから。

 

家の真下にお店があっても。

 

 

 

夫が日本に居たときだから、

 

細かいニュアンスは伝わらない。

 

 

 

みんなが昼寝をする時間帯に

 

やることないからスイートポテトを作ろうと思ったの。

 

サツマイモを買ってきてってお願いしたけれど

 

買ってもらえなかった。

 

お店になかったとか行けなかったとか・・・

 

妹も月刊誌を頼んでいたのに

 

何回もすっぽかされた。

 

 

 

 

この不自由さが一番あの国で住みたくない理由。

 

 

こんなくだらないことで、人の手を煩わせたくないし、

 

こんなくだらないことで、お願いなんてしたくもない。

 

 

 

 

何度もすっぽかされて

 

 

 

ふいに、泣いてしまった。

 

不自由であることを自分が認めてしまった時に

 

涙があふれた。

 

 

 

突然泣き出した理由を彼らは彼らなりに考えてくれた・・・・らしい。

 

だって、私のために夕方、お義兄さんが大きな箱に入ったサツマイモを20キロも買ってきた。

 

・・・・aysyaは泣きたいほどにサツマイモが食べたかったのか・・・・・

 

彼らの導き出した結論だった。

 

 

 

微笑む彼ら・・・

 

悪気はないんだよな・・・

 

方向性が違うというか・・・

 

掛け違えたボタンは、今もやっぱり、そのままで・・・

 

誤解は解けていないんだろうな・・・

 

 

言いたいことを飲み込んで、

 

苦笑するしかなかった、

 

私がいた。

 

 

 

 

埋まらない溝かもしれない・・・

 

でも・・・彼らに悪気がないから

 

だから・・・憎みきれないでいる私がいる。