クリパ企画 ~ 前編 | シンイ~信義に夢中

シンイ~信義に夢中

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ぐるっぽのクリパで書いたお話をつなげてみました

 

 

高麗の冬は天界とは比べ物にならぬくらい寒いとあの方は言う

雪の量も半端ないらしい

 

見てる分には良いのよ

綺麗だし、でもね

体の芯から凍えてきちゃうのよ

特別に作らせた綿入の半天を着込み一日火鉢の前から動こうとはされぬ

 

あのままでは体を壊してしまう

少しは体を動かしてもらわねば

だが、あの方は運動も嫌い

寒いと布団からも、なかなか出ようとはせぬ

さて、体の芯まで冷える寒さを、何をもって癒せば良いのか

ヨンは腕を組み暫し頭をひねる

 

そうだ、体の芯から温まり、あの方の運動不足を補う一石二鳥の手があるではないか

早速今夜から

ヨンは、いそいそと帰り支度を始めた

 

イムジャ出かけますよ

急いで下さい

帰るなりヨンは、ウンスを火鉢から引き剥がした

 

ちょっと待って、あなた寒いじゃない

綿入の半天の上から寒そうに両腕を擦り口を尖らせる

 

暖かい所に連れて行って差し上げます

 

本当に?何処?何処?

高麗から近いの?

暖かい所と聞きウンスの瞳は輝く

 

はい

今から出れば夕げに間に合うでしょう

美味い酒もありますよ

ヨンの言葉にウンスは期待を膨らませる

 

急いで準備するわね

 

いえ、準備は要りません

その上からこれを羽織って下さい

ヨンは、皮で出来た外套をウンスに羽織らせる

 

でも着替えとか...

 

要りませぬ、さぁ急いで

ヨンは先に馬に乗るとウンスを前に乗せた

 

こうやると暖かいでしょう?

凍えるウンスを懐に抱え込み雪がかからぬように自分の外套の中に入れる

 

何処へ行くの?

 

内緒です

喋ると舌を噛みますよ

悪戯そうな笑みを浮かべるヨンにウンスはまだ何か尋ねたいのか唇が動いたが、走り出した勢いに驚きヨンの胸にしがみつくだけだった

 

イムジャ着きましたよイムジャ?

愛する人の胸に抱かれ心地好い揺れと温かさにウンスは、つい馬上という事も忘れ眠っていた

雪道を眠った女を胸にだかえ馬を走らせるのは大変だっただろう

 

お待ちしておりました

奥様はお疲れのようですね

田舎の小さな旅籠の中から、これまた小柄な女将と思われる女性が顔を出した

 

このシチュエーションは恥ずかしく言葉にしようと唇が動いたが声は発せられず眠ったふりを決めたウンスは、ただただ俯くのみだった

 

体の芯まで冷える寒さを何をもって癒せば良いのか。

風呂か酒か?それとも、温かい飯か?

ヨンは考えたあげく、ウンスに尋ねた

 

飯にしますか?

酒が良いですか?

それとも....

ヨンの声が耳元近くで聞こえ暖かな部屋に入り赤くなっていたウンスの頬は余計に赤く染まっていった

 

 

 

 

 

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