あの子はまだやっと十五になったばかりです
この春、侍従見習いとして宮中に上がったばかりで武官でもありません
右も左も分からぬような者に急に戦場に赴けというのは、あまりにも無体
どうか私を代わりに戦場に行かせて下さい
ドチは、その場に跪くと床に頭を擦り付けた
待てドチ、詳しく話してみよ
王はドチの姿が見えるよう玉座から身を乗り出すと土下座するドチとウンスを交互に見る
医仙どういう事です
説明を促す王にドチを立たせようと腕を引っ張っていたウンスは慌てて王の方を向いた
あのですね王様
紅巾軍は二回この高麗に攻めてきます
二回ですと?
ざわめきは高官達の間に広がった
先ずは西京、攻めてくるのは、そこまでです
何故分かるのです
一人の高官が声を上げると回りに居た者達が一斉にその者を後ろに下がらせた
馬鹿者!
天界の御告げだと医仙様が仰せになられたであろう
あっ?
馬鹿者め、やっと気付いたのか
側に居た者が呆れたように言い捨てた
天を愚弄したつもりはないのです
高官は真っ青になり、がたがたと震えだすが、ウンスはそれどころではないと王とドチに理解してもらえるような言い回しを必死に考えた
アン・ウさんとイ・ バンシルさんが我が夫チェ・ヨンと共に戦い西京で敵を食い止めます
信じて下さい
ウンスは胸元で両手を合わせると真剣な眼差しで王を見上げた
先ずはドチの息子、アン・ウに会わせてもらえますか?
王はウンスに尋ねた
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