夏にアイスを奢ったお礼にご飯をおごると約束をし、それを今頃になって果たすべく連れてこられたのはラーメン屋


しかも、席はカウンター


森久保の右隣の席に座らされ、有無を言わさず「とんこつラーメン2つ」と注文しようとする森久保を静止した


「森久保さん、醤油ラーメンが良いんですけど……」


「バッカだなあ!ここはとんこつラーメンが旨いんだぞ!!」


そうは言われても、少し敬遠してしまう


「良いから、とんこつ食っとけって!」


有無を言わさず、カウンター越しに店員を呼ぶ森久保


「ちょっ!森久保さん!」


このまま「とんこ2つ」と注文する勢いの森久保を止めようとしたが、「良いから良いから」と言って聞き入れる様子もない


こうなったら、森久保がとんこつラーメンを注文する前に「醤油ラーメン1つ」と言ってしまおうと思った




「ご注文はお決まりですか?」

と、やってきた店員に「醤油ラーメン!」と言おうとする


だが、自分が言う前に

「醤油ラーメン1つ」

と言う言葉


思わず店員から隣に視線を戻すと、何事も無いように

「あと、とんこつラーメン1つ」

と注文をしていた




出来上がったラーメンをカウンターの向こう側から出され、醤油の香りが空腹感を煽る


左隣からは湯気とともに森久保の注文したとんこつラーメンの匂いが漂ってくる


この臭いがどうしても好きになれない


「本当に美味しいんですか?」


訝しげに問いかける


「この美味さが分からないなんて、可哀想だよなあ」


こちらの視線に気づいているのか、少し嫌みっぽく言った後、豪快に麺を箸でつるし上げ、二度ほど大きく息を吹きかけてから頬ばった


森久保が吹いた息と共に流れてくる臭いは、やはり好きにはなれなかったが、美味しそうに音を立ててスープを飲む姿に喉が鳴る




「そんなに、美味しいんですか?」


再び麺を頬張ろうとしていた森久保は「あ?」と言って動きを止め、こちらを見てにやりと笑った


「何?食べたくなったか?」


いたずらっぽく笑う目元


わざと美味しそうに食べていたとは思わないが、なんだか食べたくなるように仕向けられたようで、少し癪に障る表情だ


けれど、スープを飲んでみようと思ったのは確かなので「スープだけ」と答える


すると森久保は、左手に持っていたレンゲでスープをすくい「ほら」と言って突き出してきた




レンゲの先から立ち上る湯気


「ほら」と言って出されたところで、それをすぐにすすれるほど熱いものが平気ではなかった




湯気を取り除くように、出されているレンゲの中に息を何度か吹きかける


「何?お前、猫舌?」


その問いに、笑ってごまかした


「しょうがねえなあ」

と言い、突き出していたレンゲを自分の方に向け、麺を頬張った時の様に何度か大きく息を吹きかける


そして、湯気が収まったのを確認し、再度「ほら」と言ってこちらに向けた


出されたレンゲの先に口をつけ、スープを口に含む


思っていたほどしつこくなく、後味も気にならない




「結構、美味しいですね」


そう言って森久保を見ると、差し出していた左肘をカウンターにつけ、レンゲを持つ手の甲に額を当てて、何やら肩が震えていた


「森久保さん?」


何故肩を震わせているのかが分からず、首を傾げると「お前なあ」と言う声も少し震えていた


俯き加減になっているため、彼がどんな表情をしているのかが分からない


何か怒らせてしまったのかと思っていると、顔が少しだけこちらを向いた


「普通、レンゲごと持って飲むだろ?何、レンゲに口つけて飲んでんだよ」


そう言っている顔は怒っているどころか、笑っていた


周りに人がいるため、声を上げて笑わないように必死で声を堪えているようだ


声を堪えていると、よけいに可笑しくなったりするもので、少しの間、森久保の笑いは止まらなかった




一度こっちを見た時より、さらに俯いて、肩を震わせ「くくっ」と笑う姿に、何だか腹が立つ


そんなに可笑しなことをしたかと、ムッとして「もういいです!」と、自分のラーメンを食べようとした


「ああ、悪かったって」


顔を上げた森久保は少しまだ肩を震わせていたが、紙ナプキンを一枚取る


「ちゃんと自分で持って飲まないからだぞ」


そう言って濡れている口の端を丁寧に拭ってくれた


その表情はとても穏やかで、優しい眼差し


ラーメンの熱さか、声を堪えて笑っていたためか、髪の間から見える彼の耳はほんのり赤く色づいていた












はい、終了~!


みつぼしに行ってからの森久保さん熱で思わずうpしてしまったwww




夏では森久保さんがこちらのアイスを食べると言う行為でしたが、今回は逆にこちらがスープを飲むと言う感じにしてみた


私が思うに、森久保さんは仕掛けることはしても、こうして逆に仕掛けられるのは苦手なのではないかと


天然にしろ故意にしろ、仕掛けられた時にきょどってしまう人だと私は思う




それにしても、今回のは萌えられるのかな(・・?)






森久保さんの耳は何故赤かったのでしゃうねぇ(*´∀`)www