こんにちは、小野歩です。
2019年4月13日号の東洋経済に「AI時代に食える仕事、食えない仕事」という記事が掲載されていました。
2015年に野村総合研究所が発表した予測では、「日本における労働人口の49%が機械に代替される可能性が高い」と書かれていました。
この予測は特定の条件下でのもので、実際には自動化が進んでも職業そのものが機械に置き換わるわけではなく、限定された繰り返し作業が置き換わっていくだけなのだそうです。
大事なのは、技術によってどんな仕事が消えるかを理解し、自動化できない仕事に備えることだと思います。
職種ごとの業務の変化
多くの人にとって身近な職業の「機械化可能性」について、いくつか書きたいと思います。
「機械化可能性」とは、野村総合研究所が2015年、日本の601の職業についてAIやロボット技術などによる職業の代替可能性を算出した数字です。
銀行窓口業務
機械化可能性:99.4% 就業人口:30万人
ペーパーレス化、IT化が進んでおり有人の窓口業務は減る。
銀行で新しく口座を作った際に、窓口ではなく遠隔地にいる人のサポートを受けて、自動で口座開設が完了した経験があり、窓口業務の置換えが進んでいること実感しました。逆に、顧客をサポートするコールセンター業務は増えていくそうです。
会計事務員
機械化可能性:99.8% 就業人口:149万人
全体の7割が「主計」という、簿記を使って勘定科目に仕分けし、損益計算書と財務諸表を作る仕事に従事しており、「主計」は
AIの自動化が進み仕事は徐々に削減される。
最近では、無償で使える会計ソフトも充実して個人でも簡単に会計業務ができるようになってきた印象があります。
行政事務員
機械化可能性:97.9% 就業人口:55万人
役所の事務作業は、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)導入により自動化が進む。
横浜市のRPA実験では、7つの対象業務で平均84.9%の業務時間が削減されたそうです。
コンビニ店員
機械化可能性:91.6% 就業人口:78万人
レジ接客は、スマートフォンなどによるキャッシュレス決済の導入により人員削減される。
大手コンビニは、入り口に顔認証システムを設けてレジを廃止した省人型店舗を発表していますね。
建設業
機械化可能性:37.8〜97.0% 就業人口:503万人
きつい作業や単純作業はロボットに任せ、創意工夫や微調整が必要が求めらる工程を人間が行うようになる。
警備員
機械化可能性:97.8% 就業人口:37万人
キャッシュレス決済比率が上がり、現金輸送の警備員がいずれ不要になる。
施設の警備では、AIやドローンの活用で監視センターの役割が増えて、巡回する警備員の仕事は減る。
ホテルスタッフ
機械化可能性:14.8〜98.7% 就業人口:54万人
チェックイン業務、清掃業務の自動化 あまり価値の高くないサービスは自動化される。
接客サービスで差別化が進み、感動を提供する仕事は残るそうです。
外食接客
機械化可能性:92.0% 就業人口:96万人
受注や清算は、タブレットや清算機の導入などで省人化が進んでいる。
カフェでは、商品提供もロボットが担う試みがされており、接客スタッフにはロボット活用の判断やメンテナンスの仕事が増えるそうです。
食品製造
機械化可能性:41.2〜99.2% 就業人口:123万人
不良品検査にAIによる画像認識を活用しており、これまで従業員が目視で行なっていた工程が機械化され始めている。
タクシー運転手
機械化可能性:95.4% 就業人口:29万人
自動運転技術の導入が進んでおり、無人化が実現した場合、仕事場は車内から社外の管制室へと置き換わる。
機械化で新たに生まれる仕事
新たに生まれる仕事は、予測不可能と言われていますが、「AIを活用する仕事」と「AIができないことを補う仕事」に大別できるそうです。
AIを活用する仕事
(例)
データサイエンティスト:ビッグデータを収集、分析、活用する専門家
情報ゲートキーパー:AI活用の鍵であるデータ入力専門家
AIができないことを補う仕事
(例)
コミュニティーマネージャー:組織の会話を促し、関係を円滑にする
ピープルマネージャー:従業員のモチベーションを管理する専門家
既存の職種の業務が、専門家してできる職業が新しく生まれるそうです。
どのような経験とスキルを伸ばしていけばよいのか
「人間にしかできない」4つのアナログ分野が、人間の強みを生かしやすいと書かれていました。
感情ワーク
(例)カウンセラー、セラピスト、ウエディングプランナー
信用ワーク
(例)金融の法人営業、弁護士、医師
創造ワーク
(例)管理会計、建築設計、企画編集
職人ワーク
(例)美容師、理容師、マッサージ師、料理人
顧客の立場になり、どうすれば感動してもらえるかを考えることは、「感情」を持つ人間ならではの仕事である。
サプライズを演出するために、時にはプライバシーに関わる情報も聞き出す必要がある。
これは「信用」を得ないとできない、驚きの演出には「創造」力も求められる。
引用:東洋経済2019年4月13日号
「感動」「信用」「創造」がこれからの世の中で大事になってくるので、必要なのはコミュニケーション能力、人間関係構築力、問題解決能力を今から身につけて、変化が起きても対応できる自分になることだと思います。